慢性疾患の管理では遠隔診療は対面診療と互角

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ビデオを介した遠隔診療(VTC)は、少なくとも慢性疾患を管理するためなら、対面診療と同様に機能するようだ。糖尿病、呼吸器疾患、慢性疼痛、心疾患、神経障害などの治療を受けている患者の対面診療をVTCに置き換えても効果の程度は同様であることが、新たな研究で明らかにされた。米RTIインターナショナルの公衆衛生アナリストであるJordan Albritton氏らによるこの研究の詳細は、「Annals of Internal Medicine」に12月7日掲載された。

Albritton氏らによると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック発生により、オンライン診療の利用は劇的に増えた。2020年の調査によると、VTCを受けた経験を持つ患者の割合は、パンデミック前の8%からパンデミック中には22%にまで増え、同様にオンライン診療を提供した医師の割合もパンデミック前の22%からパンデミック中には80%にまで増加している。

Albritton氏らは今回、2013年1月1日から2021年3月3日の間に発表され、遠隔診療が通常の対面診療に取って代わり得るか、あるいは対面診療よりも優れているかを検討した20件のランダム化比較試験(RCT)の分析を行った。

20件のRCTのうち12件は通常のケアの代わりに、8件は通常のケアを増強する目的でVTCを用いており、前者では9件、後者では5件のRCTにおいて、VTC群と対照群との間で介入効果に有意差が認められないことが明らかになった。残りの計6件のRCTでは、1つ以上の主要評価項目についてVTC群の方が対照群よりも優れていた。

以上のように、RCTの分析からは、VTCが通常提供される対面診療に引けを取らないことが明らかになった。しかし、Albritton氏は、「今回の研究で対象としたRCTには、新たな疾患の診断や予防医療の提供に対する効果について検討したものは含まれていなかった」と指摘。その上で、「この研究から言えることは、対面診療が不必要だということではない。今回の研究で扱った条件、つまり糖尿病や呼吸器疾患などの慢性疾患の管理という点では、VTCは対面診療に劣らず、場合によっては対面診療以上に効果を上げる可能性があるということだ」と述べている。

米レノックス・ヒル病院の内科医および呼吸器科医であるLen Horovitz氏は、「遠隔診療による患者評価は、実際には限定的だ」と主張する。同氏は、「例えば、自分で血糖値を測定してきちんと報告できる糖尿病患者の経過観察のための再診なら、確かに遠隔診療でも患者の状態を管理して調整することはできる。しかし、事実上、初診の患者にケアを提供し、その患者を必要な検査をすることなく内科医として診ていくことなど、私には考えられない」と語る。

Albritton氏は、「人々の健康を維持するために遠隔診療をどこに導入するのが最適なのかを正確に把握するには、さらなる研究が必要だ」との見方を示す。同氏はさらに、「VTCを含めた遠隔診療についての研究を進め、ヘルスケアに真の変革をもたらすことができる分野を見つける必要がある。こうした研究により、ヘルスケアにおける改善を後押しできる可能性や機会が明らかにされるだろう。ただし、実際に改善されるかどうかを見極めるには、関係する要因を特定する必要がある」と説明している。(HealthDay News 2022年1月3日)

https://consumer.healthday.com/1-3-telemedicine-as...

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