がん経験者のサプリメント使用に専門家ら注意喚起

がん経験者のサプリメント使用に専門家ら注意喚起
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多くのがん経験者が、がん再発の予防効果などを期待して栄養補助食品(サプリメント)を摂取している実態が、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のRana Conway氏らによる研究から明らかになった。この研究結果は「Cancer」に12月20日発表された。Conway氏らは、サプリメントにがん再発の予防効果があることを裏付けるエビデンスはほとんどなく、むしろ有害になり得るものもあるとして、注意を促している。

Conway氏らは今回の研究で、英国の臨床試験に参加した、乳がん、前立腺がん、大腸がんのいずれかの診断歴がある18歳以上の成人1,049人(平均年齢64.4歳)のデータを収集し、分析した。参加者は食事やサプリメントの摂取状況に関する質問票に回答していた。

その結果、何らかのサプリメントを摂取していた人の割合は参加者全体の40%を占め、がんの再発リスクを低下させるためにはサプリメント摂取が重要だと考えていた人の割合は全体の19%に上ることが明らかになった。また、女性、サプリメントのがん予防効果を信じている人、および推奨量の果物や野菜を摂取している人では、実際にサプリメントを使用している割合が高い一方で、肥満者ではサプリメントの使用率が低いことが判明した。サプリメントの中では魚油の摂取率が最も高く、参加者全体の13.1%が使用していた。ただし、乳がんの診断歴がある人では、ビタミンD併用の有無にかかわらず、カルシウムのサプリメントの摂取率が15.1%と最も高かった。

今回の研究結果についてConway氏は、「がんの診断歴を持つ人の5人に1人が、ビタミン剤などのサプリメントを摂取すればがんの再発リスクが低下すると考えていることが分かった」と話す。しかし同氏は、「自己処方したサプリメントが、がんの再発リスクを低下させることを示したエビデンスはなく、むしろそうしたサプリメントが治療効果を妨げる可能性もある」と指摘。「がん経験者でサプリメントの摂取を考慮している人は、まず主治医に相談することが大切だ」と強調する。

Conway氏によると、がん経験者には果物や野菜の多い健康的な食事を心がけ、高カロリー食品は避けることが勧められているという。また、「飲酒を控え、身体を動かすことも有益だ」と付け加える。同氏は、「多くの人にとって、健康的な食事と運動習慣を取り入れるべきとする助言に従うのは難しいものだ。しかし、そのような助言を実践することで実際にベネフィットを得られることが、エビデンスで示されている」と話す。

米国がん協会(ACS)疫学研究およびポピュレーション・サイエンス部門のMarjorie McCullough氏は、この研究報告について、「サプリメント摂取によりがん再発のリスクを低下させることができると考えている患者がこれほど多いとは興味深い」と話す。

McCullough氏は、サプリメントを摂取する人たちは、主治医ではなくインターネットや広告から得た情報に影響されている可能性が高いとみており、「予後を改善するために自分でできることはしておきたいのではないか」と推測している。しかし、今回の研究では、魚油やカルシウムのほか、マルチビタミン剤やビタミンD、ビタミンB群、ハーブなどのサプリメントを使用しているがん経験者もいることが明らかにされた。これらの中にはがん治療を妨げる作用を持つものも含まれているとしてMcCullough氏は注意を促している。

その上でMcCullough氏は、「サプリメントを使用しているがん経験者は、そのことを主治医に伝えておくべきた。また、がん患者を診ている医師は、患者にサプリメントを使用しているかどうかを確認すべきだ」と主張する。そのほか、がん患者の管理を専門とする栄養士にアドバイスを求めるのも良いアイデアだと話している。(HealthDay News 2021年12月20日)

https://consumer.healthday.com/12-20-supplements-m...

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