歯周病が全身疾患やメンタル不調につながる可能性

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歯周病は、歯だけの問題ではなく、糖尿病や心臓病、メンタルヘルス不調のリスクを高める可能性を示す論文が、「BMJ Open」に12月19日掲載された。著者の一人である英バーミンガム大学のJoht Singh Chandan氏は、「われわれの研究結果は、歯周病の予防・早期発見・治療、そして定期的な歯科検診の重要性をより際立たせるものだ」と述べている。

Singh Chandan氏らはこの研究に、1995~2019年の英国の医療関連調査データ(IMRD-UK)を用いた。この間に、歯周病での受療記録のある人とその記録がない人とで、全身疾患やメンタルヘルス不調のための受療頻度に差があるか否かを検討。歯周病での受療行動が記録されていた「歯周病群」として6万4,379人、年齢、性別、受療の時期などの一致する歯周病受療記録のない「対照群」として25万1,161人を抽出した。平均年齢は45歳だった。

ベースライン時点の横断的な解析では、歯周病群は対照群に比べて、心血管疾患〔調整オッズ比(aOR)1.43(95%信頼区間1.38~1.48)〕、心血管代謝疾患〔aOR1.16(1.13〜1.19)〕、自己免疫疾患〔aOR1.33(1.28~1.37)〕、メンタルヘルス不調〔aOR1.79(1.75〜1.83)〕の有病率が、いずれも有意に高かった。

次に、中央値3.4年の追跡期間中の新規発症は、心血管疾患〔ハザード比(HR)1.18(1.13〜1.23)〕、心血管代謝疾患〔HR1.07(1.03~1.10)〕、自己免疫疾患〔HR1.33(1.26〜1.40)〕、メンタルヘルス不調〔HR1.37(1.33~1.42)〕であり、いずれも歯周病群の方が有意に罹患率が高かった。

この結果を基にSingh Chandan氏は、「歯周病がこれらの慢性疾患の発症リスク上昇と関連している可能性が示唆される。歯周病患者数は極めて多いため、歯周病によってこれらの慢性疾患のリスクが上昇するとすれば、それは公衆衛生上の大きな負担となるだろう」と述べている。

米疾病対策センター(CDC)によると、30歳以上の米国人のほぼ半数が歯肉炎または歯周炎を患っている。歯肉炎は歯周病の初期段階に当たり、歯茎が赤く腫れて出血することがある。より進行した歯周炎と呼ばれる段階の歯周病では、歯茎と歯の間の隙間が広がったり歯槽骨が減少したりして、歯が揺れ動いたり抜けてしまったりする。

米ニューヨーク大学(NYU)歯学部のLeena Palomo氏は、「今回報告された研究は、歯周病がこれら全ての病気を引き起こすという事実を証明しているわけではない。しかし、われわれ歯周病専門医は日々このデータと同じ実態を目にしている」と語る。

Palomo氏はまた、「歯周病がそれらの慢性疾患を引き起こすのか、それとも逆に、それらの慢性疾患が歯周病を引き起こすのかは明らかではないが、これまでの研究は、それが双方向性である可能性を示している。双方向性が最も明らかなのは、糖尿病だ。糖尿病以外の慢性疾患と歯周病との双方向性については、さらなる研究が求められる段階だ」と解説。その上で、「歯茎が健康と言えない状態の場合、併発している可能性のある他の疾患のスクリーニングを受ける必要がないか、医師に相談すると良い」とアドバイスする。

さらに同氏は、「歯周病を早期に発見すれば、簡単に治療できる。痛みがなければ歯磨きやデンタルフロスをしっかり使わなかったり、歯科検診を受けなくても良いわけではない。それにもかかわらず人々は、痛みが現れたり、歯槽膿漏になるまで、この基本原則を忘れがちだ」と注意を促している。(HealthDay News 2021年12月23日)

https://consumer.healthday.com/12-22-when-gums-are...

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