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新しい抗肥満薬、減量効果は従来の薬剤のほぼ2倍

新しい抗肥満薬、減量効果は従来の薬剤のほぼ2倍

新しい抗肥満薬により、既存の薬剤のほぼ2倍の減量効果が得られることが、臨床試験で明らかにされた。専門家らは、この薬が肥満治療に革命をもたらす可能性があるとみている。米ノースウエスタン大学フェインバーグ医学部教授のRobert Kushner氏らによるこの研究の詳細は、「The New England Journal of Medicine」に2月10日掲載された。

この薬剤は、体内で生成されるホルモンであるヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)を人工的に合成したセマグルチド(商品名オゼンピック)と呼ばれるもので、食欲や空腹感を低下させ、満腹感をもたらす作用がある。セマグルチドは、2型糖尿病治療薬として既に低用量のものが販売されている。

今回の臨床試験は、1,961人の肥満または過体重の成人を対象に、2019年秋から2020年春にかけて、16カ国129カ所の施設で実施された。開始時点での対象者の平均体重は230ポンド(約104kg)、BMIは肥満に該当する38であった。対象者は、セマグルチド注射薬2.4mgを週に1回、68週間投与する群とプラセボを投与する群に2対1の割合でランダムに割り付けられた。

その結果、試験終了の68週時点で、セマグルチド投与群では体重が平均14.9%(15.3kg)減少したのに対し、プラセボ群での体重減少は平均2.4%(2.6kg)にとどまっていた。これは、現在、市場に出ている抗肥満薬の減量効果(6〜11%)の1.5~2倍に相当するという。また、試験終了時に体重の15%以上、または20%以上の減量に成功した対象者の割合も、セマグルチド群ではそれぞれ50.5%(612人)、32.0%(388人)に達したのに対し、プラセボ群ではわずか4.9%(28人)、1.7%(10人)に過ぎなかった。

この研究結果についてKushner氏は、「従来の抗肥満薬の減量効果を凌駕する効果が認められた。肥満外科手術に匹敵する効果を薬剤で示したのは、今回が初めてだ」と述べている。

ただし、いくつかの副作用も確認されている。セマグルチド投与群の4割以上が吐き気を訴えたほか、下痢、嘔吐、便秘などの症状も認められたのだ。しかし、こうした症状は管理可能であり、副作用のため脱落した被験者は7%にとどまった。そのほか、胆石の発生を主とする胆嚢関連の障害がセマグルチド投与群の3%に生じた(プラセボ群は1%強)。The Obesity Society(TOS)のAnia Jastreboff氏は、「こうした副作用は、セマグルチドを初めて投与する患者には、投与量を徐々に増やしていくことで抑えられる可能性がある」と述べている。また、急激な減量により胆石が生じやすいことにも注意喚起している。

Jastreboff氏は、「肥満治療は包括的であるべきであり、患者にあらゆる選択肢を提示すべきだ」との考えを示した上で、「極度の肥満患者の治療では、肥満外科手術などの他の治療法とセマグルチドを併用できる可能性もある」と話している。

なお、Kushner氏によると、セマグルチドの製造元で、今回の試験を支援したデンマークのノボ・ノルディスク社は、3件の臨床試験成績に基づき、2021年1月に米食品医薬品局(FDA)に同薬の承認申請をしており、今年中に承認を得たいとの考えであるという。(HealthDay News 2021年2月10日)

https://consumer.healthday.com/2-11-2650417642.html

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