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長期間の屋外労働で50歳以降の乳がんリスクが低下か

長期間の屋外労働で50歳以降の乳がんリスクが低下か

長年、屋外で働いている女性では、50歳以降の乳がんリスクが低下する可能性のあることが、デンマークがん学会研究センターのJulie Elbaek Pedersen氏らにより報告された。リスク低下の鍵を握るのは、屋外で日光を浴びることにより生成されるビタミンDであることが示唆されたという。研究の詳細は、「Occupational & Environmental Medicine」に2月2日掲載された。

ビタミンDは、骨と筋骨格の健康の維持に欠かせない栄養素であるだけでなく、感染症やがんの予防にも有用な可能性が示唆されている。ビタミンDは、紫外線(UV-B)を浴びることにより皮膚で生成される。しかし、皮膚がんリスクに対する懸念の高まりや、仕事とプライベート双方でのコンピューター使用の増加により、人々が屋外で日光を浴びる時間は減少傾向にある。このような状況から、過去20年間の乳がん罹患率の上昇傾向をビタミンD欠乏と関連付ける研究結果も報告されている。しかし、そうした研究の大半は、限られた期間でのビタミンDレベルの評価に基づくものである上に、明確な結論を導き出すには至っていない。

Pedersen氏らは、デンマークがんレジストリから新規に乳がんの診断を受けた70歳未満の女性3万8,375人を抽出。対象者1人につき5人(生年が同じで、対象者が乳がんと診断された年に乳がんがなかった生存女性)をDanish Civil Registration System(DCRS)からランダムに抽出して対照とした。対象者の全職歴については、Danish Supplementary Pension Fund Registerで確認し、職業性日光曝露については、職業曝露マトリックス(Nordic Occupational Cancer Study Job Exposure Matrix;NOCCA-JEM)で評価した。

妊娠歴などの影響を与える因子を考慮して解析した結果、職業性日光曝露と全体的な乳がんリスクとの間には関連が認められなかった。しかし、長期にわたる職業性日光曝露は、50歳以降の女性において乳がんリスク低下と関連することが明らかになった。すなわち、日光曝露歴が20年以上にわたる50歳以上の女性では、乳がんリスクが17%低下していた。しかし、日光の累積曝露量が最も多い女性では、乳がんリスクの低下は11%にとどまっていた。

ただし、Pedersen氏らは、この研究は観察研究であり、乳がんリスクとビタミンDの因果関係が明らかになったわけではないとしている。また、食事を通したビタミンD摂取やサプリメントの使用、余暇時間の日光曝露、乳がんリスク上昇と関連する生活要因(ホルモン補充療法、避妊薬の使用、肥満など)について考慮されていない点も、本研究の限界として挙げている。

それでもPedersen氏らは、「今回の研究により、長期にわたる職業性日光曝露により後期発症乳がんのリスクが低下することが示唆された。今後、実施される職業と乳がんとの関連に関する研究では、この知見を考慮する必要があるだろう」と述べている。

米マウントサイナイ・ウェストのブレストサービス責任者であるStephanie Bernik氏は、この研究結果について、「体内のビタミンDレベルが高いほど乳がんリスクが低下することを証明するには、ライフスタイルも考慮した上で、実際に女性のビタミンDレベルを測定するよりほかないのではないか」と述べ、解釈に慎重な姿勢を示している。また、「屋外で働く女性は、屋内で働く女性よりも、運動量が多く、ライフスタイルがより健康的であるのかもしれない」との見方も併せて示している。

一方、米ノースウェル・ヘルスがん研究所のAlice Police氏は、「この結果が検証されれば、朗報だ。屋外でしばらく過ごすことで乳がんリスクを下げられる可能性を示す、有望な研究結果だ」と前向きに評価している。(HealthDay News 2021年2月2日)

https://consumer.healthday.com/2-2-could-working-o...

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