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リスク因子がない人もCOVID-19で心不全発症の可能性

リスク因子がない人もCOVID-19で心不全発症の可能性

心臓の状態に何も問題がなかった人が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患に伴い心不全を発症することがあるとする研究報告が、「Journal of the American College of Cardiology(JACC)」に4月26日、レターとして掲載された。

これまでにもCOVID-19罹患中に心不全を発症するケースがあることは知られていた。しかしその頻度は不明だった。本論文の上席著者である米マウントサイナイ医科大学の心不全部門を統括するAnuradha Lala氏は、「COVID-19罹患に伴う心不全発症の頻度を明らかにすることがこの研究の目的だった」と語っている。

Lala氏らはこの研究に、マウントサイナイ・ヘルスシステム関連医療機関の入院患者の医療記録を用いた。2020年2月27日~6月26日の入院患者のうち、新型コロナウイルス検査陽性の成人患者が6,439人(平均年齢64歳、女性45%)存在していた。

6,439人中、6.6%はCOVID-19罹患前から心不全を有していたが、37人(0.6%)は入院中に心不全を新規発症していた。この37人の背景を見ると、心血管疾患の既往のある患者が14人(37.8%)、心血管疾患リスク因子を有している患者が15人(40.5%)で、そのほかの8人(21.6%)は心血管疾患の既往もリスク因子も有していなかった。

心血管疾患の既往やリスク因子がなく心不全を発症した8人は、大半が若年の男性で、BMIは低く、併存疾患数が少なかった。8人中5人はICU入室を要し、4人は心原性ショックに至った。ただし院内死亡は1人のみだった(心血管疾患のリスク因子のある群は15人中3人、心血管疾患の既往のある群は14人中6人が院内死亡)。

心不全は、心臓のポンプ機能が低下して体の隅々まで十分な血液を送ることができず、息切れやむくみなどの症状を引き起こす。Lala氏は研究結果に基づき、「心不全は通常、心血管疾患の既往、または高血圧や糖尿病などの心血管疾患リスク因子のある人が発症する。COVID-19罹患に伴う心不全の新規発症はまれと考えられるが、ひと握りの患者は全くリスク因子がないにもかかわらず心不全を発症していた。その正確な理由は分からない」と述べている。

米国心臓病学会(ACC)専門委員会の一員で米ベイラー医科大学の教授であるBiykem Bozkurt氏は、「心筋への酸素供給量の低下も含め、COVID-19重症患者に生じる生理学的ストレスが、心不全新規発症の原因の1つかもしれない」と推測している。さらに、「新型コロナウイルスに対する過度な免疫応答とそれに伴う広範囲にわたる炎症の関与も考えられる」と同氏は述べている。

またBozkurt氏は、「パンデミック以降、COVID-19がさまざまな心臓合併症を引き起こす可能性のあることが明らかになってきた。血栓症による発作を起こしたり、心筋炎を発症する患者もいる。それらの疾患は、それぞれに特徴的な症状と、検査によって診断する。心不全であれば息切れやBNPという検査値の上昇、画像検査などで判定できる」と解説している。

では、COVID-19罹患時に心不全を発症した場合、その後の生活にどのような影響が及ぶのだろうか。この疑問についてはLala氏、Bozkurt氏ともに、「COVID-19が新興感染症であるために長期的な予後はまだ分からない」と語る。Bozkurt氏は、「COVID-19で入院中に心臓に何らかの異常が現れた人は、病状が回復後も心臓専門医によるフォローアップを受けるべきだ」としている。Lala氏もこれに同意した上で、「さらに言えば、COVID-19の心血管系に対する長期的な影響を、この領域の専門家が研究し続ける必要がある」と付け加えている。(HealthDay News 2021年4月27日)

https://consumer.healthday.com/4-27-covid-19-could...

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