食物繊維なら何でも同じというわけではない

食物繊維なら何でも同じというわけではない

食物繊維の摂取によって満腹感が長く続いたり、いくつかの疾患のリスクが抑制される可能性が示唆されており、食物繊維は体に良い栄養成分として推奨されることが多い。ただし、食物繊維といってもその種類は数多くあり、それらが全て同じように機能するわけではないことを示す研究結果が、「Cell Host & Microbe」に4月27日掲載された。論文の上席著者である米スタンフォード大学のMichael Snyder氏は、「食物繊維は種類によって機能性が大きく異なり、信じられないほど不均一だ。仮に『食物繊維は全て同じ』と言うのであれば、それは『動物は全て同じ』と主張するようなものだ」と語っている。

Snyder氏らは、一般的に摂取されている食物繊維サプリメントに着目し、それらがコレステロールと血糖値などにどのような影響を及ぼすかを検討した。同氏によると、多くの人が食物繊維摂取推奨量を満たしておらず、サプリで補っているが、それが健康の維持・増進に役に立っているのかどうかは、はっきりしていないという。

検討されたのは、オオバコの種皮の殻などに含まれるアラビノキシランと、バナナやアスパラガス、玉ねぎなどに含まれるイヌリン、およびアラビノキシランとイヌリンを含めた5種類の食物繊維の混合物から成るサプリ。18人の健康な成人を対象とするクロスオーバー法で行われた。

研究参加者を無作為に、アラビノキシランまたはイヌリンのサプリを摂取する2群に分け、それぞれのサプリを最初の1週間は1日10g、翌週は20g、3週目は30g摂取してもらった。その後、6~8週間のウォッシュアウト期間をおいて、最初に割り付けられたサプリとは別のサプリを同じように摂取してもらった。最後に、両群ともに5種類の食物繊維混合サプリを摂取してもらった。研究期間中、研究参加者は食事内容を記録するとともに、血液、尿、便のサンプルを採取された。

解析の結果、高用量のアラビノキシランを摂取する条件では、多くの参加者のLDL(悪玉)-コレステロールの低下と胆汁酸の増加が確認された。このことから、コレステロール低下のメカニズムは、従来から言われていたような、アラビノキシランがコレステロールに結合してその排泄を促すのではなく、胆汁酸の合成促進によることが明らかになった。一方、血糖値への影響は認められなかった。また、一部の参加者では、アラビノキシラン摂取後にLDL-コレステロールがわずかしか低下しなかった。この違いには、タンパク質摂取量の違いが関与している可能性があるとのことだ。

一方、イヌリンは大半の人にとってコレステロールを下げるようには機能せず、むしろ炎症が引き起こされたり、高用量を摂取した場合には、肝臓のダメージを表すマーカーが上昇した。また、アラビノキシランと同様に、血糖値への影響は認められなかった。ただしSnyder氏によると、「アラビノキシランに反応しなかった人もいて、そのうちの1人はイヌリン摂取によってコレステロールが低下した。また、高用量のイヌリン摂取により炎症反応が軽減した人もいた」という。

Snyder氏は、「食物繊維サプリ摂取後の反応が参加者によって異なることが明らかになった点も、本研究からの重要な発見である。ある人には有効なサプリが、他の人にも同じように働くとは言えない」と話す。同氏らは現在もアラビノキシランやイヌリン、その他の食物繊維サプリの研究を続けている。「いずれは、それぞれの人に合ったサプリを予測できるようになるだろう。しかしわれわれはまだそこに到達していない」としている。

本研究には関与していない、米シュミット心臓研究所で高血圧の研究を主導しているNatalie Bello氏は、「栄養成分と腸内細菌叢の関連についての研究は、まだ緒についたばかりだ」と述べる。例えば、「食物繊維の摂取は血圧の低下と関連しているが、全ての人に高食物繊維の食事が適しているわけではない」として、未解明の点が多く残されている現状を解説。その上で、「定期的な運動、十分な睡眠、血圧と血糖値、血清脂質のコントロールとともに実践する健康的な食生活は、心臓の健康を改善するための主体を成す。DASH食、ベジタリアン食、地中海食などは、そのような健康的な食生活の代表と言える」と付け加えている。(HealthDay News 2022年4月28日)

https://consumer.healthday.com/4-28-2657192671.html

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