See What HealthDay Can Do For You
Contact Us

太極拳の腹部肥満に対する効果は一般的運動と同等

boosting energy for exercise

太極拳のように、呼吸に合わせてゆっくりとした動きをする運動にも、中高年の腹部脂肪を減らす効果があるとする研究結果が報告された。50歳以上の人が12週間太極拳を続けたところ、エアロビクスや筋力トレーニングなどを行った人と同程度、ウエスト周囲長が減少したという。香港大学のParco Siu氏らの研究によるもので、結果の詳細は「Annals of Internal Medicine」6月号に掲載された。

Siu氏によると、太極拳は非活動的な人も含め、高齢者に適した運動と考えられているものの、健康上のメリットに関するエビデンスは限られているという。同氏は、「われわれの研究は太極拳が他の運動療法よりも効果的であることを示唆するものではないが、中高年者の腹部肥満改善に有効であり、その点では従来から提唱されてきた運動療法の代替となり得ることを示している」と語っている。

この研究は、2016年2月27日~2019年2月28日にかけて、香港の単一施設で実施された。研究参加者は、腹部肥満のある50歳以上の成人543人。参加者全体を、有酸素運動と筋力トレーニングを行う群(従来型運動群)、太極拳群、運動介入をしない対照群の3群(各181人)に分類し、12週間介入した。運動を課す2群では、インストラクターの指導の下での運動を週3回、1回当たり1時間行った。主要評価項目はウエスト周囲長で、副次評価項目として、体重、HDL(善玉)コレステロール(HDL-C)などを設定。介入12週目とベースラインから38週目に変化を評価した。

結果について、まずウエスト周囲長の変化を見ると、対照群は12週間で調整平均の差が0.8cm(95%信頼区間-4.1~5.7)と有意な変化がなかった。一方、従来型運動群は対照群に比べて-1.3cm(同-1.8~-0.9)、太極拳群は-1.8cm(同-2.3~-1.4)であり、両群とも対照群より減少幅が有意に大きかった(いずれもP<0.001)。

副次評価項目について見ると、運動を課した2群では12週時点で、対照群に比し体重減少幅とHDL-C上昇幅が大きく、かつ体重については38週時点でも、両群ともベースラインより低値だった。ただし38週時点でHDL-Cに対する有益性は、太極拳群でのみ認められた。「この結果は、腹部肥満がありながら、従来型の運動が好みでない中高年者、または何らかの理由で負荷のかかる運動を行えない中高年者にとって朗報と言える」とSiu氏は語っている。

呼吸に合わせたゆっくりとした動きによる心身のエクササイズである太極拳は、「動きのある瞑想」と言われる。主としてアジア諸国で実践されているが、欧米諸国でも人気が高まっており、米国では約200万人が実践しているという。Siu氏によると、太極拳は容易に始められる上に、転倒予防や変形性関節症のコントロール、心血管代謝や呼吸器、筋骨格系の健康、心理的側面などに多くのメリットがあるという。ただし同氏は、「太極拳で健康へのメリットが得られることに関して説明可能なメカニズムは、まだほとんど解明されていない」とも述べている。

一方、米ウィチタ州立大学のMichael Rogers氏は、やや異なる研究結果を報告している。同氏らの研究では、高齢者に対して、有酸素運動のほかに、パワー、またはバランスや柔軟性を重視する運動と、太極拳という4群を設定して介入。その結果、有酸素運動群でのみ心肺機能が改善したとのことだ。ただし、体組成の変化は検討していなかった。「心肺機能と体組成とを同一視して比較はできないが、両者には関連があり全く別ものというわけでもない」と同氏は語っている。

もっともRogers氏も、「太極拳は、バランスはもちろん筋力アップにもなる」とその効果を認め、かつ「太極拳が中高年者の体組成改善に効果があることを示した研究は、おそらく今回の報告が初めてだろう」と評価。その上で、これから運動を始めようとしている高齢者に対し、有酸素運動を軸に、バランスまたは筋力のアップを図る運動、あるいは太極拳のいずれかを加えた運動を行うことを提案している。(HealthDay News 2021年6月1日)

https://consumer.healthday.com/6-1-tai-chi-may-equal-regular-exercise-in-trimming-your-tummy-2653106122.html

Consumer Japanese
undefined
undefinedundefined