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糖尿病患者のリスク管理向上が停滞している

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糖尿病の人々のリスクコントロールは、着実に向上してきた。ところが近年はその向上が停滞していることが、米国立心肺血液研究所の資金提供で実施された研究で明らかになった。コントロール状態をさらに改善することの根拠が得られていないことも、この背景にあると考えられるという。米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のElizabeth Selvin氏らの論文が、「The New England Journal of Medicine」に6月10日掲載された。

この研究では、1999~2018年の米国国民健康栄養調査(NHANES)に参加した成人糖尿病患者のデータが用いられ、血糖および関連リスク因子の管理状況が横断的に解析された。その結果、血糖管理は1999年から2010年代初頭にかけて改善していたが、その後は頭打ちになり、さらに後退が認められた。具体的には、HbA1c7%未満の糖尿病患者の割合が、2007~2010年は57.4%(95%信頼区間52.9~61.8)であったのに対し、2015~2018年は50.5%(同45.8~55.3)だった。

また血圧に関しても、140/90mmHg未満の糖尿病患者の割合が、2011~2014年は74.2%(同70.7~77.4)であったのに対して、2015~2018年は70.4%(同66.7~73.8)だった。血清脂質は2000年代初頭までに大幅に改善され、その後はわずかな改善にとどまっている。具体的には、non-HDL-コレステロール(非善玉コレステロール)が130mg/dL未満の糖尿病患者の割合が、2007~2010年は52.3%(同49.2~55.3)であり、2015~2018年は55.7%(同50.8~60.5)だった。

血糖・血圧・血清脂質の3つが全て上記の管理目標に到達している糖尿病患者の割合は2010年以降横ばい状態で、2015~2018年には22.2%(同17.9~27.3)だった。また、血糖降下薬や血圧降下薬の服用者の割合は2010年以降変化しておらず、スタチン(コレステロール低下薬)の服用者の割合は2014年以降横ばいになった。さらに2010年以降、血圧管理が不良と判定される患者での併用療法が減少し、また血糖管理不良患者は減少しなくなった。

著者らは、この傾向によって多くの米国人が心臓病、脳卒中、およびその他の糖尿病合併症のリスクにさらされる可能性が懸念されるとしている。論文の上席著者であるSelvin氏も、「これは深刻な状況と言える。管理状況が頭打ちになっただけでなく、悪化傾向が見られるからだ」と述べている。

なぜ、このような傾向が生じているのだろうか。その理由は明らかでないが、Selvin氏は一つの可能性を指摘している。それは2008年と2009年に、厳格な血糖管理の効果を疑問視させる3つの大規模臨床研究の結果が相次いで発表されたことだという。それらの研究で血糖値を厳格に管理する群に割り当てられた患者では、心臓病や脳卒中リスク抑制の上乗せ効果が確認されず、かつ低血糖によると考えられる潜在的なリスクが浮かび上がった。それらの結果が報告された後、厳格な血糖管理を避ける医師が増えた。「われわれがいま目にしている現状は、ある種の過剰修正ではなかろうか」とSelvin氏は言う。

本研究には関与していない米ジョスリン糖尿病センターのJoanna Mitri氏は、「厳格な血糖管理に関する臨床研究の結果が発表された後、治療ガイドラインは血糖管理中心から他の心血管リスク因子の管理を強化する方向へシフトした」と解説する。また、「一部の患者には高めのHbA1cが適切である可能性がある。例えば低血糖のリスクがある高齢者などだ。ただしそのような患者以外は、HbA1cを7%未満に保つことが正しい目標と考えられる」と述べている。

Mitri氏によると、「重要なことは、治療目標を患者ごとに個別化することだ」という。そのために、糖尿病患者は自分自身の治療目標を主治医に確認し、医師が自分にとって最適な管理をしているのかどうかを尋ねるよう提案している。(HealthDay News 2021年6月10日)

https://consumer.healthday.com/6-10-america-is-los...

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