加糖飲料が女性の肝臓がんを増やす?

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ソーダなどの加糖飲料が、女性の肝臓がん発症リスクを高める可能性があるとする研究結果が、米国栄養学会議(ASN)の年次学術集会(NUTRITION 2022、6月14~16日、オンライン開催)で報告された。閉経後の女性9万人以上を対象とする研究から、加糖飲料の摂取頻度が1日に1回以上の人は、1カ月に3回未満の人と比べて、肝臓がんの発症が7割以上多いという結果が得られたという。

発表者の1人である米ハーバードT. H.チャン公衆衛生大学院のXuehong Zhang氏は、「われわれの研究結果が今後の研究でも追認された場合、肝臓がんによる疾病負担の抑制に、加糖飲料の摂取量を減らす公衆衛生戦略を推進すべきと言って良いのではないか」と語っている。ただし同氏らは、本研究では加糖飲料が肝臓がん発症の原因であるとの結論を導くことはできず、両者の間に関連がある可能性が示されたにとどまることを強調している。

この研究は、閉経後の女性の健康状態を長期間追跡している「女性の健康イニシアチブ(WHI)研究」のデータを用いて行われた。1990年代半ばに研究参加登録された50~79歳の閉経後女性9万504人を中央値18年間追跡し、肝臓がんの新規発症リスクを調査した。参加登録時に行った加糖飲料の摂取量に関するアンケートから、全体の約7%が1日に12オンス(約340g)の加糖飲料を1杯以上飲んでいた。

追跡期間中に、205人が肝臓がんを発症した。加糖飲料を1日に1杯以上飲むと回答していた人は、加糖飲料を全く飲まないか月に3杯未満と回答していた人に比べ、肝臓がんの発症が73%多かった。研究者らは、加糖飲料は肝臓がんの危険因子である肥満と2型糖尿病のリスクを高める可能性があると指摘している。さらに、インスリン感受性の低下や肝臓への脂肪蓄積にもつながり、それらはいずれも肝臓にダメージを与えるという。

Zhang氏は本研究の限界点についても述べている。具体的には、「このような観察研究では、加糖飲料の摂取が、肝臓がん罹患率上昇の原因なのか、または肝臓がんリスクを高める不健康なライフスタイルのマーカーに過ぎないのかを判定することができない。われわれの研究結果は慎重な解釈が求められ、今後の研究による追試が必要だ」としている。また、WHI研究の参加者は閉経後女性のみであるため、男性や閉経前女性の加糖飲料摂取の影響は依然不明だ。

米国がん協会(ACS)の患者会活動部門のトップを務めるArif Kamal氏は、「本報告は加糖飲料の健康リスクを検討した最新の研究結果であり、肝臓がんとの潜在的な関係を示唆しており興味深い」と評価。その上で、「加糖飲料摂取と肝臓がんリスクとの関連が肥満によって媒介されるのか、もしくはBMIの変化とは独立しているのかを確認するためのさらなる研究が必要」と指摘している。

また、米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン・ヘルスのSamantha Heller氏は、「1日に12オンスの加糖飲料を1杯以上飲むという習慣と、1カ月に3杯飲むこととの間には大きなギャップがある。前者のようなライフスタイルの人には、果物・野菜、食物繊維の摂取量が少なく、肉類やジャンクフード、ファストフードの摂取量が多く、運動量が少ない人が多いのではないだろうか」との疑問を投げかけている。

Heller氏は、「ソーダやそのほかの加糖飲料の過剰摂取は、肥満や肥満に関連する慢性疾患の一因でもある」と語る。米国では2003~2018年にかけて、加糖飲料の消費量が着実に減少してきたが、全体的な消費量は依然として高いままだ。Heller氏によると、「飲料メーカーの広告戦略が、一般市民のそのような消費行動を刺激している」とのことだ。同氏は、加糖飲料に替えて、「水や炭酸水、お茶、ハーブティー、もしくは果汁100%ジュースを飲むと良い」とアドバイスしている。

なお、学会発表された研究は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2022年6月14日)

https://consumer.healthday.com/6-14-could-lots-of-sugary-sodas-raise-a-woman-s-odds-for-liver-cancer-2657476415.html

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