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血栓回収療法が逆効果になる?

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脳卒中の急性期治療として、脳の血流を塞いでいる血栓を取り除く血栓回収療法と呼ばれる治療法がある。しかし、この治療が成功しても、良好な機能的予後を得られないこともある。こうした中、その要因を解明する手掛かりとなる、パリ大学(フランス)のWagih Ben Hassen氏らの研究結果が、「Neurology」に6月23日掲載された。

血栓回収療法では血栓を捉えるために、血管内の閉塞している部位にデバイスを複数回、通過させなくてはならない場合がある。今回の研究では、デバイスの病変通過の回数が2回以上要したケースで、3カ月後に障害が残る確率が高いことが示された。また、そのような複数回の操作が予後悪化につながる原因の解明に向けた手掛かりも得られた。操作を繰り返しているうちに一部の患者では、血栓が砕けて別の部位に詰まってしまう可能性があるという。

Ben Hassen氏は、「今回の研究から、デバイスの病変通過回数が1回増えるごとに、良好な予後を得られる可能性が低下することが分かった。この結果は、1回目の病変通過で血栓を回収できなかった場合の適切な善後策を確立するために、新たな研究に取り組む必要性を明確に示している」と述べている。

脳卒中は脳への血流が滞ることで引き起こされる。その多くは、血管が血栓で詰まることが原因で発症する。米国脳卒中協会(ASA)によると、そのようなタイプの脳卒中に対する標準的な治療として位置付けられているのが、血栓を溶解させるtPAと呼ばれる注射薬だ。しかし、tPAで血栓が溶けない場合などに、血栓回収療法が行われる。

Ben Hassen氏らは、血栓回収療法が成功した脳卒中患者419人のデータを分析した。このうち224人ではデバイスの病変通過回数が1回のみであったが、39人では4回以上の病変通過を要していた。

分析からは、デバイスの病変通過回数が増えるほど3カ月後の予後が悪化することが明らかになった。3カ月後に障害が全くみられないか、日常生活で軽度の困難を抱える程度の障害にとどまる患者の割合は、血栓回収に要した通過回数が1回だけであった患者では62%を占めていた。しかし、通過回数が2回の患者では55%、3回の患者では49%、4回以上の患者では42%と、1回のみの患者と比べて低下していた。

また、複数回の病変通過を要した患者では血栓が砕け、当初は異常のなかった脳内の他の部位に血栓が飛び散っていることを示唆する所見も確認された。そのような患者では、脳卒中を発症してから24時間が経過した時点で、脳の損傷部位が拡大していた。

研究には関与していない専門家の一人で、米ブロンソン脳神経学センターのMartinson Arnan氏は、「今回の研究報告に基づいて、複数回の病変通過が予後不良の要因だと決めつけるべきではない」と指摘する。そして、「血流が全く再開しない場合と比べれば、最終的に血流が再開した患者の方が予後は良好であることが、これまでのエビデンスで裏付けられている」と説明している。

一方、Ben Hassen氏は、この研究によって「1回の病変通過で血栓を確実に回収できるような、新世代のデバイスを開発する必要性が示された」と述べている。(HealthDay News 2021年6月24日)

https://consumer.healthday.com/6-24-clot-removing-...

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