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肥満が進行前立腺がん生存率を高める?

doctor and patient

進行前立腺がんでは、肥満患者の方が正常体重や過体重の患者よりも生存率が高い可能性のあることが明らかになった。ヴィータ・サルーテ・サンラファエル大学(イタリア)のNicola Fossati氏らによるこの研究結果は、欧州泌尿器科学会(EAU 21、7月8〜12日、オンライン開催)で報告された。

肥満が、がんやさまざまな慢性疾患の発症と死亡のリスク因子であることは、多くの研究で指摘されている。その一方で、ある種のがん患者ではBMI値が高い方が長生きする傾向にあるとする研究も少数ながら存在する。こうした現象は、「肥満パラドックス」と呼ばれている。

今回Fossati氏らは、テストステロン(男性ホルモン)の分泌が抑えられるホルモン療法が奏効せず、がんが進行する転移性去勢抵抗性前立腺がん患者においても、肥満パラドックスが当てはまるのかどうかを確かめることにした。

Fossati氏らは、3件の臨床試験に参加した総計1,577人の前立腺がん患者(平均年齢は69歳、平均BMI 28)の生存率を調べた。その結果BMIが30以上の肥満患者では、標準体重の患者に比べて、全生存率が4%、がん特異的生存率が29%高く、BMIが全生存率とがん特異的生存率の双方において保護的に作用することが明らかになった。このようなBMIの保護効果は、大部分の患者が受けた高用量化学療法の影響を調整した後でも認められた。さらに、3年間で生存していた患者の割合は、肥満患者で30%だったのに対して、過体重および標準体重の患者では20%だった。

こうした結果を受けてFossati氏は、「この研究により、進行前立腺がんでは、肥満患者の方が長生きすることが明らかになった。つまり、BMIを生存の予測因子として使える可能性があるということだ」と述べている。

その一方でFossati氏は、「この結果は、がん化学療法と他の疾患に対する薬物療法との間の相互作用を反映しているのかもしれない」とも語る。そして、「高齢の肥満患者は、他の疾患に対する薬剤も併用していることが多い。そうした薬剤が化学療法とどのように関連するのかを、われわれは完全に解明できてはいない」と付け加えている。

今回の研究には関与していない、米マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のVinayak Wagaskar氏は、「この結果だけで結論を出すことはできない」と述べている。同氏はまず、対象者のBMIが、前立腺がんの進行後に一度測定されただけであることを指摘。「ホルモン療法も含めた前立腺がんの治療方法の中には体重増加の原因となるものもあるため、この点は重要だ」と話す。また、併存疾患により体重が増減した可能性があることにも言及し、「研究コンセプトとしては面白いが、がん診断時のBMIを測定した上で調査を重ねる必要がある」と強調している。

EAU学術会議の学術集会オフィス長を務めるPeter Albers氏も、「体重と転移がんの転帰改善の関連については、さまざまな説明が考えられる」と話す。例えば、BMI高値の患者の方が、治療に伴う薬物毒性や副作用によく耐えられる可能性のあることや、前立腺がんでは、脂肪組織に含まれるホルモンが保護的に働いている可能性があることを指摘する。その上で同氏は、「ただし、これらはいずれも推測に過ぎない。さらなる研究を実施して、さまざまな研究結果の背後にある生物学的メカニズムを特定する必要がある。それが解明されるまでは、進行前立腺がん患者の治療法の変更を推奨することはできない」と話している。

なお、学会発表された研究結果は、査読を経て医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2021年7月12日)

https://consumer.healthday.com/7-12-obesity-parado...

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