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パーキンソン病治療薬が認知症関連の精神症状の緩和に有効か

パーキンソン病治療薬が認知症関連の精神症状の緩和に有効か

パーキンソン病患者の幻覚や妄想を和らげる薬剤のヌプラジド(Nuplazid、一般名ピマバンセリン)が、認知症患者に対しても有効である可能性が、新たな臨床試験で示された。米Banner Alzheimer's InstituteのPierre Tariot氏らによるこの研究の詳細は、「The New England Journal of Medicine」7月22日号に掲載された。

アルツハイマー病患者の数は世界でおよそ4500万人と見積もられており、その半数が精神症状を経験するとされている。認知症の種類によっては、この割合がより高くなり得るという。認知症患者に現れる精神症状は、認知症の悪化速度の上昇と関連する。しかし現状では、このような症状を和らげることができる、安全で効果的な承認薬は存在しない。現在、認知症患者に対して広く使われている抗精神病薬は、鎮静作用が強く、転倒や死亡リスクの増加につながる。

ヌプラジドは、パーキンソン病に関連する幻覚や妄想の治療薬として、米国で既に承認されている。同薬剤は、精神症状に関連すると考えられている脳内神経伝達物質であるセロトニンの受容体の一つである5-HT2Aを選択的に阻害する。

今回の研究は、アルツハイマー病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、血管性認知症に関連する精神症状を持つ392人を対象にしたもの。対象者の平均年齢は74.5±8.3歳で、95.2%は自宅に居住し、81.6%は試験開始時に幻覚と妄想の両方の症状を有していた。全ての対象者に対して、12週間にわたりヌプラジドを投与したところ、有効性について良好な結果が得られたため、試験は途中で打ち切られた。残った対象者は351人で、そのうちの61.8%(217人)が、2つの評価尺度を用いた評価で症状の30%以上の軽減を示した。これらの患者を、引き続きヌプラジドを投与する群(105人)とプラセボを投与する群(112人)にランダムに割り付け、さらに最長26週間まで試験を継続した。

その結果、幻覚や妄想の再発が生じた患者の割合は、ヌプラジド投与群では13%(12/95人)だったのに対して、プラセボ投与群では28%(28/99人)だった(ハザード比0.35、P=0.005)。一方、有害事象が生じた患者の割合は、ヌプラジド投与群の方がプラセボ投与群よりも多かった(41.0%対36.6%)。ヌプラジド投与後に頻繁に生じた有害事象は、便秘、頭痛、尿路感染症であった。また、一部の患者では、同薬剤の既知の副作用である、QT延長と呼ばれる不整脈も認められたが、死亡率の上昇や脳卒中などの重篤な有害事象の増加は認められなかった。

Tariot氏は、「こうした結果が明らかになったからといって、ヌプラジドを魔法のように効く薬だとは思ってほしくない。実際に、そういう類の薬ではないのだから」と話す。その上で、「ただし、この研究結果は、認知症に関連する精神症状に苦しむ多くの患者の症状を、現在使用されている薬剤で生じるような副作用を起こすことなく緩和できる可能性があることを示唆している」と付け加えている。

米マウント・サイナイ・アイカーン医科大学精神・神経科学分野准教授のJoseph Friedman氏は、認知症患者の精神症状に対して処方される抗精神薬の副作用を大きな問題と指摘。その上で、「この研究結果により、これまでの治療法に代わる新たな治療法を患者の家族に提供できる可能性が見えてきた」と話す。

Friedman氏はさらに、「より長期的なデータが必要だ。また、ヌプラジドがある特定の認知症に対して、他の種類の認知症よりも効果的かどうかは不明だ。今回の研究対象者の大半はアルツハイマー病患者だったが、その他の種類の認知症患者も3分の1程度を占めていた」と話している。Tariot氏もFriedman氏の意見に賛同し、「より規模が大きく、長期にわたる臨床試験を実施する必要がある」と述べている。(HealthDay News 2021年7月23日)

https://consumer.healthday.com/7-22-drug-shows-pro...

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