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腰痛に対する筋弛緩薬の効果にエビデンスなし

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米国では腰痛の症状をやわらげるため多くの人々に筋弛緩薬が使われている。しかし、腰痛に筋弛緩薬が有効であることを裏付けるエビデンスはほとんどないとする論文が、「The BMJ」に7月8日掲載された。ニューサウスウェールズ大学(オーストラリア)のJames McAuley氏らが行った、システマティックレビューとメタ解析の結果である。

McAuley氏らは、これまでに発表されている31件の研究報告を抽出し、腰痛治療のため筋弛緩薬を処方されていた合計6,505人のデータから有効性を解析した。使用されていた筋弛緩薬の種類は18種類だった。

解析対象となった研究の中には、筋弛緩薬により短期的に痛みが緩和される可能性を示すものも含まれていた。しかしMcAuley氏は、「全般的には筋弛緩薬に、意味のある改善をもたらすほどの効果はない可能性が高いと考えられた。ほとんどの患者は、おそらくプラセボを飲んだ場合と比べて、痛みの違いは感じられないだろう」と話している。

さらに別の問題も浮かび上がった。つまり、腰痛に対して明らかな効果が見られないだけでなく、筋弛緩薬の使用によって、めまいや眠気、頭痛、吐き気といった副作用、あるいは依存性といったリスクの懸念が認められた。

今回の解析結果には、McAuley氏も驚いたと語っている。「既報からは、筋弛緩薬は痛みを減弱させることが示されていた。しかし、最新の研究を全て含めたメタ解析から、その信頼性は大幅に低下した」と同氏は話す。ただ、解析対象とした研究には、筋弛緩薬の長期的な効果を調べたものが含まれていないなど、結果解釈上の限界があり、「今回の解析結果も決定的なものとは言えない」という。

McAuley氏によると、腰痛は極めて高頻度に見られる疾患であって、世界の有病率は7%とされており、約80%の人が生涯に1度は腰痛を経験すると推定されているとのことだ。腰痛の原因を正確に特定することは困難なことが多い。そのため、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)やオピオイドなどの薬剤が使われたり、運動療法、カウンセリングといった方法が用いられる。これらは腰痛の治癒を目指すのではなく、痛みのコントロール目的で行われている。

2020年の1年間で米国では3000万人に筋弛緩薬が処方され、その多くが痛みのコントロールを目的として使われた。この現状に対してMcAuley氏は、「筋弛緩薬には腰痛を治癒に導く効果も、痛みを緩和する効果もないことから、有効で費用対効果の高い新たな治療法を開発する必要がある」と述べている。

一方、米オークランド大学のDaniel Park氏は、「腰痛はさまざまな原因で起こるため、誰にとっても有効な治療法は存在しない。しかし、強い痛みのコントロールに筋弛緩薬が、短期的なベネフィットをもたらす可能性はある」と述べている。ただし同氏も、腰痛の原因にかかわらず、痛みの長期的なコントロールに筋弛緩薬は有用ではない可能性が高いとの見方を示している。

「長期的には運動療法や体幹強化の方がベネフィットは大きい。腰痛の原因を突き止め、症状の慢性化や不快感の持続といったリスクをできるだけ抑えるため、あらゆる努力が必要だ」とPark氏は語っている。(HealthDay News 2021年7月9日)

https://consumer.healthday.com/7-9-no-evidence-mus...

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