断続的断食は炎症抑制を介して心臓を保護する――AHAニュース

断続的断食は炎症抑制を介して心臓を保護する――AHAニュース
Agustin Vai/iStock, Getty Images

断続的断食が、炎症を抑制して心臓を守るように作用する可能性を示した研究結果が報告された。断続的断食とは、体重管理を目的とする食事スタイルの一つで、エネルギーのある食べ物や飲み物を口にする日や時間帯を制限する方法。さまざまな制限パターンがあるが、24時間単位で摂食と断食を繰り返す方法を取る人が多い。

今年9月に「European Heart Journal Open」に掲載された論文の研究では、26週間にわたり最初の4週間は週に2日、その後は週に1日、水のみを摂取するというスケジュールで断続的断食の効果を検討した。その結果、LDL(悪玉)コレステロールは低下しなかったものの、2型糖尿病の前段階で見られることの多いインスリン抵抗性や、心臓発作や脳卒中といった心血管疾患ハイリスク状態を表すスコア(Metabolic Syndrome Score;MSS)が改善することが確認された。

今回新たに発表された研究では、断続的断食が心血管疾患のリスクをどのように改善するのかを検討した結果であり、米国心臓協会学術集会(AHA Scientific Sessions 2021、11月13~15日、オンライン開催)で報告された。

主任研究者である米スタンフォード大学のBenjamin Horne氏らは、炎症を抑制する働きのあるガレクチン-3というタンパク質に着目。断続的断食によってガレクチン-3レベルが上昇することを明らかにした。また同氏は、断続的断食による心血管疾患抑制メカニズムが、SGLT2阻害薬と呼ばれる薬剤が2型糖尿病と心不全のリスクを同時に低下させる作用メカニズムと類似したものではないかとの考察を述べている。なお、Horne氏は米インターマウンテン心臓研究所の心血管・遺伝疫学部門の責任者でもある。

Horne氏らの研究では、67人の研究参加者を2群に分けて、その1群に断続的断食を26週間続けてもらった。その結果、群間差は有意でないものの、断続的断食群でガレクチン-3レベルが上昇し対照群では低下した。そして、ガレクチン-3レベルの上昇幅がインスリン抵抗性やMSSと逆相関することが分かった。心不全のマーカーには変化がなかった。この結果から同氏は、「ガレクチン-3レベルの上昇により炎症が抑制される。その変化が慢性疾患に対して予防的に働く可能性がある」と語っている。

この研究には関与していない、AHA栄養委員会の元委員長であるJo Ann Carson氏は、「26週間の研究期間でガレクチン-3レベルに有意差は生じなかった。よって、断続的断食のガレクチン-3に対する影響を確認するには、さらに長期間観察する必要がある」と述べている。またCarson氏は、「この研究はガレクチン-3レベルの心臓への影響を評価するようにデザインされていなかった」と指摘し、結果の解釈が制限されるとしている。加えて、「24時間にわたり水しか口にできないという条件は、減量目的の人にはあまり受け入れられないのではないか。むしろ12~16時間の断食など、より穏やかな制限の方が良い」とも述べている。

断続的断食については、上記以外にも複数の研究結果が報告されている。例えばHorne氏らは、断続的断食が心不全リスクの低下や長寿と関連しているというデータを2020年に、「European Journal of Preventive Cardiology」に発表している。また、2017年には別の研究グループから、隔日絶食の減量効果は摂取エネルギー量を減らす方法と同等とするデータが「JAMA Internal Medicine」に発表されている。

なお、学会発表された研究結果は一般に、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(American Heart Association News 2021年11月18日)

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