アトピー性皮膚炎の疾病負荷と有意に関連する因子とは?

アトピー性皮膚炎の疾病負荷と有意に関連する因子とは?
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アトピー性皮膚炎(AD)の重症度と症状管理に費やした時間は、自己報告による疾病負荷と極めて強く関連するという研究結果が、トロント大学Women’s College Institute(カナダ)のRawaan Elsawi氏らにより、「JAMA Dermatology」に6月29日発表された。

今回の外部主導による米食品医薬品局(FDA)とのPFDD(Patient-Focused Drug Development)会議のための調査研究は、2019年8月1日から2019年10月11日にかけて、成人AD患者を対象にオンラインで実施された。調査では、参加者に性別や居住地域、年齢などの人口統計学的属性、発症から診断までの時間、重症度の変遷などの臨床レベルでの変化について尋ねるとともに、順序尺度(1=影響なし〜5=重度に影響)で、1)過去1カ月の間にADによる疾病負荷が及ぼした全体的な影響、2)ADによる疾病負荷が特定の領域(睡眠、認知的思考など)に及ぼした影響、についてもスコア化した。また、現時点の気分変動と、ADが最も悪化した際の気分変動についても、4段階(なし、軽度、中等度、重度)の順序尺度で評価してもらった。

調査に回答したのは1,065人で、年齢は、18〜24歳が114人(11%)、25〜34歳が235人(22%)、35〜50歳が242人(23%)、51〜64歳が288人(27%)、65歳以上が186人(17%)で、女性が881人(83%)を占めていた。過去1カ月間にADが及ぼした全体的な影響について、「影響なし」としたのは32人(3%)のみで、194人(18%)は「軽度に影響」、295人(28%)は「中等度に影響」、228人(21%)は「高度に影響」、316人(30%)は「重度に影響」したと回答していた。

多変量順序ロジスティック回帰分析の結果、現時点のADの重症度は全体的な影響の高スコアと強い関連を示し、軽度のADと比べたオッズ比(OR)は、中等度のADで4.13〔95%信頼区間(CI)2.94〜5.79〕、重度のADで13.63(同8.65〜21.5)であった。また、ADの症状管理に費やした時間も全体的な影響の高スコアと関連し、1週間当たり0〜4時間の場合に比べたORは、11〜20時間で2.67(同1.77〜4.03)、21時間以上で5.34(同3.22〜8.85)であった。

ADによる疾病負荷が影響を及ぼす特定の領域と全体的な影響スコアとの関連をスピアマンの順位相関係数(ρ)と95%CIを計算して検討したところ、いずれの要素も相関は弱い〜中等度(ρ=0.32〜0.50)であった。年齢や現時点のADの重症度、ADの症状管理に費やした時間で層別化して解析しても、同様の結果であった。

気分変動については、424人(40%)が軽度、316人(30%)は中等度、95人(9%)は重度の気分変動を報告していた。多変量順序ロジスティック回帰分析で現時点の気分変動と最も強い関連を示したのは、現時点のADの重症度であった(軽度のADに比べた重度のADのOR 5.29、95%CI 3.41〜8.20)。

著者らは、「この調査研究では、ADの重症度と症状管理に費やした時間は、ADによる疾病負荷と強い関連を示した。疾病負荷をもたらすADの単一の側面というものはなく、むしろ負荷は、多次元的で不均一である。今後は、症状管理に費やす時間を短縮するための方策など、ADの複雑な疾病負荷に対する対処法を検討するとともに、患者の経験に対する理解を深める必要がある」と結論付けている。

なお、数名の著者が、製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2022年9月22日)

https://consumer.healthday.com/several-factors-significantly-tied-to-atopic-dermatitis-disease-burden-2658266077.html
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