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腸内細菌叢の多様性と活性型ビタミンDレベルが関連

腸内細菌叢の多様性と活性型ビタミンDレベルが関連

近年、さまざまな疾患の発症や重症度と、腸内細菌叢パターンとの関連が報告されているが、その腸内細菌叢の多様性がビタミンDレベルと相関するという研究結果が新たに報告された。ただし有意な相関が見られるのは、活性型ビタミンDであり、活性のない前駆体とは相関がなかった。

この研究は、米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のDeborah Kado氏らが、米国の6都市に居住する健康な高齢男性を対象に行ったもので、結果の詳細は「Nature Communications」に11月26日掲載された。検討対象は567人で、平均年齢84.2±4.1歳、BMI27.0±3.8であり、身体活動スコア(PASE)が123±66.9と比較的活動的な人が多かった。ビタミンDサプリメントの利用率が74.8%、プロバイオティクスの利用率は4.4%であり、ビタミンD欠乏症〔25(OH)Dが20ng/mL未満〕は7.2%だった。

一般的なビタミンD検査は、体内に貯蓄されるものの活性のない状態の25(OH)Dを測定することが多い。それに対して本研究では、25(OH)Dだけでなく、活性型の1,25(OH)2Dや分解産物のレベルも測定。便検体を16Sリボソーム遺伝子シーケンスという手法で解析して評価した、腸内細菌叢の多様性との関連を検討した。なお、1,25(OH)2Dは25(OH)Dが変化したものだが、不安定で失活しやすい。

検討の結果、1,25(OH)2Dレベルは腸内細菌叢の多様性の指標との有意な相関が認められた(近似直線の傾きが1.39、P=7.23×10の-7乗)。その一方で、25(OH)Dレベルは有意な相関が見られなかった(近似直線の傾き0.04、P=0.88)。この結果について論文の上席著者であるKado氏は、「腸内細菌叢の多様性が活性型ビタミンDと密接に関連しているのに対して、その前駆体とは関連が見られないという事実に驚いた」と、大学のニュースリリースの中で述べている。

Kado氏は、「一般的に腸内細菌叢の多様性が高いことは、健康状態が良好であることに関連していると考えられている」と解説。他方、これまでの多くの研究で、ビタミンDレベルが低い人は、がんや心臓病のリスクが高いことが報告されており、さらに最近では新型コロナウイルス感染症の重症化リスクとビタミンDレベル低値との関連が示唆されている。しかし最近行われた最大規模のランダム化臨床試験では、ビタミンDサプリメントの摂取は骨の健康や心臓病、発がんなどのリスクを低下させないと結論付けられている。

このような結果の不一致についてKado氏は、「われわれの研究結果から、それら一連の研究が活性型ビタミンDではなく、その前駆体のみを測定していることが、結果が一貫しない理由である可能性がある」と考察している。そして、「ビタミンDの前駆体と活性型ビタミンD、およびその分解産物と健康状態との関連を明らかにすることで、ビタミンD補給治療が有益な集団を特定できるのではないか」と語る。

今回の研究では上記のほかに、活性型ビタミンDレベルが高い人では、12種類の腸内細菌の割合が高いことも明らかになった。それら12種類の細菌のほとんどは酪酸という脂肪酸を生成しており、酪酸は腸の内壁を保護する働きを持つことが知られている。

論文の筆頭著者であるUCSDのRobert Thomas氏は、一連の結果のまとめとして、「医学では、正しいと考えられていたことが、実際はそうでなかったということがしばしば起こる。ビタミンDに関しては、摂取量の多寡ではなく、体がそれを利用できる状態に変換できているかどうかが重要なポイントなのかもしれない」と述べている。(HealthDay News 2020年12月7日)

https://consumer.healthday.com/b-12-3-vitamin-d-may-be-good-for-your-microbiome-2649094304.html

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