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開封後のインスリンの保存、37℃までは問題なし

insulin vial

国境なき医師団とジュネーブ大学(スイス)の研究チームは、開封後のインスリンを最大37℃の環境温度でも、4週間は効果を失わずに保存できるという研究結果を報告した。家庭に冷蔵庫がない暑熱環境に居住する糖尿病患者の生活の質(QOL)向上につながる可能性のある知見として注目される。

インスリンは熱に弱いため、開封前は2~8℃、開封後の4週間(1バイアルを使い切る期間に相当)は25~30℃で保存することが推奨されている。しかし、例えばサハラ以南のアフリカには冷蔵庫のない家庭も少なくない。そのような環境に住むインスリン療法を必要とする患者は、インスリン注射を受けるために連日通院する必要があり、QOLが大きく低下する原因となっている。

今回、研究グループはケニア北部の難民キャンプを訪問し、同地の屋内温度が夜間25℃、昼間37℃の範囲で変動していることを確認。この条件を研究室内で再現し、4週間にわたるインスリン保存試験を実施した。その結果、4週間で失われたインスリンの効力は、1%以下にとどまることが確認された。これは、インスリンを冷蔵保存した場合と同レベルの変化だという。

論文の上席著者であるジュネーブ大学のLeonardo Scapozza氏は、国境なき医師団のサイトに掲載されたリリースの中で、「インスリン使用に関して、最大5%までは効果の減弱が許容されている。今回明らかになった数値は、それをはるかに下回るものだ。冷蔵せずに保存されたインスリンは、全く問題なく使用できるものだった」と語っている。

この研究結果について、国境なき医師団の非感染性疾患アドバイザーであるPhilippa Boulle氏は、「冷蔵庫のない家庭に暮らす糖尿病患者が、インスリン注射のために毎日病院に行く必要がなくなることを示唆するデータと言える。低リソース環境でこれまで続けられてきた糖尿病治療の慣行を変えていく上で、このデータは基盤となる情報として役立つ可能性がある」と評価。加えてBoulle氏は、「多くの糖尿病患者が自分自身で血糖値を測定し、適切なインスリンの量を判断し、かつ注射できるように変えていく必要がある。そのための患者教育と支援、血糖管理のフォローアップに、今回示された知見を生かしていかなければならない」と語っている。

研究グループは、冷蔵庫を使用できない暑熱環境でのインスリンの保存方法に焦点を当てた、何らかのコンセンサスステートメントが形成されることを望んでいる。さらにそのステートメントが、世界保健機関(WHO)によって承認されることを期待している。(HealthDay News 2021年2月4日)

https://consumer.healthday.com/b-2-4-insulin-may-n...

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