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J&J社製のコロナワクチンについて知っておくべきこと

J&J社製のコロナワクチンについて知っておくべきこと

米食品医薬品局(FDA)は2月27日、米ジョンソン・エンド・ジョンソン社(以下、J&J社)が開発した1回接種型の新型コロナウイルスワクチンを緊急承認した。同ワクチンが承認されたことで、米国が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックと戦うための武器が3つに増えた。

J&J社製のワクチンの有効性は66%と報告されており、ファイザー社製とモデルナ社製のワクチンの有効性(95%程度)と比べると低い。しかし、J&J社製のワクチンはCOVID-19の重症化予防に優れており、その有効性は、米国で86%に達していたほか、高い感染性が懸念されている変異ウイルスが流行中の南アフリカでも82%であったことが示されている。また、約2万2,000人を対象にした臨床試験では、COVID-19による死亡例はなかった。そのため、J&J社製のワクチンについて専門家からは、「多くの米国人にとって重要な選択肢の一つになる」との声が上がっている。

米テキサス大学ヒューストン医療科学センター(UTHealth)のKatelyn Jetelina氏は、「数値からJ&J社製のワクチンの有効性は低いと判断するのは簡単だ。しかし、新型コロナウイルスワクチンの開発競争が始まった頃、科学者たちは50%の有効性を得ることに望みをかけていた。ところが、実際にはそれを大きく上回る成果が3回も得られた。われわれ疫学者は、たとえ有効性が劣るという印象を受けるとしても、このワクチンが開発されたことに、今でも胸を躍らせている」と話す。そして、「接種対象の人は、その機会を逃さないようにすることが重要だ。米国で承認されたワクチンは、いずれも安全で有効だ。われわれは、これらのワクチンによってパンデミックが収束することを願っている」と述べている。

J&J社製のワクチンは、ファイザー社製やモデルナ社製のワクチンと何が違うのか。大きな違いは、開発に使われた技術だ。J&J社製のワクチンの開発では、呼吸器感染症の原因ウイルスとしてよく知られているアデノウイルスを使うという、既存の技術が用いられている。新型コロナウイルスの表面にあるスパイクタンパク質の遺伝子情報を、弱毒化したアデノウイルスを使って体内に入れることで、新型コロナウイルスに対する免疫が誘導される仕組みとなっている。

これに対して、ファイザー社製やモデルナ社製のワクチン開発で用いられた技術では、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質をコードする遺伝物質(mRNA)を使っている。mRNAは温度変化に弱く極めて壊れやすいため、超低温での保存が必要となる。

では、J&J社製のワクチンの安全性と有効性はどのようなものなのか。「JAMA」に3月1日掲載された記事によると、まず、同ワクチンを接種した人の90%で1回の接種後に新型コロナウイルスに対する抗体が作られていることが確認されている。また、J&J社によると、同ワクチンの1回接種後の有効性は、中等症~重症のCOVID-19の予防については66%、COVID-19による入院や死亡の予防については100%であった。さらに、重度のアレルギー反応の報告はなく、発熱などの副反応の発生に関しては他のワクチンと同程度で、重篤な合併症の原因となる可能性も示されていない。

感染症に詳しい公衆衛生学の専門家である、米バージニア工科大学のLisa Lee氏は、「COVID-19に対して3つ目のワクチンが加わったことで、米国が集団免疫を獲得するまでの期間は大幅に短縮されるだろう。ファイザー社製とモデルナ社製のワクチンとは異なり、このワクチンは超低温冷凍での輸送や保管システムが不要で、接種も1回で済むからだ」と期待を示している。(HealthDay News 2021年3月2日)

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