29カ国で約100万人の新型コロナ関連の超過死亡が発生

2020年に29カ国の高所得国では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの直接的および間接的影響で、100万人近くの超過死亡が発生したとする研究結果が報告された。超過死亡は、米国、英国、イタリア、スペイン、ポーランドの順に多かったという。英オックスフォード大学人口健康学部のNazrul Islam氏らによるこの研究は、「The BMJ」に5月19日発表された。

超過死亡とは、感染症をはじめとする全疾患の平年の死亡数を基にした当該年度の予想死亡数と、実際の死亡数との差のことである。一定の期間の超過死亡を割り出すことで、人口の異なるさまざまな国での死亡数にCOVID-19が与えた影響を測ることができる。

Islam氏らは、OECD(経済協力開発機構)加盟国のうちの29カ国から2020年(全52週)の週単位の死亡率データを集めて、時系列分析を実施。対象となった国は、米国、イタリア、英国(イングランドおよびウェールズ、スコットランド、北アイルランドで分類)、スペイン、ポーランド、フランス、ドイツ、ベルギー、ハンガリー、オランダなど。COVID-19パンデミックが各国の死亡数に直接的および間接的に与えた影響を調べた。数理モデルを用いて、国家間での年齢と性別の違いや過去5年間の死亡率の季節的および年次推移を考慮した上で、各国の2020年の週ごとの超過死亡を計算した。

その結果、29カ国全体では、2020年には推定97万9,000人の超過死亡が生じていたことが明らかになった。超過死亡は、米国(45万8,000人)、英国(9万4,400人)、イタリア(8万9,100人)、スペイン(8万4,100人)、ポーランド(6万100人)の順に多かった。その一方で、ニュージーランド、ノルウェー、デンマークでは、超過死亡は確認されなかった。

年齢層別に検討した場合、各国での超過死亡は主に75歳以上の人で最も多く、次に多かったのは65〜74歳の人だった。それに対して、15歳未満の子どもの超過死亡は、ほとんどの国で予測されるレベルと同等か、米国やフランスなどの一部の国では予測よりも低かった。また、ほとんどの国で、超過死亡率は女性よりも男性で高く、年齢が上がるほどその差が広がる傾向が認められた。しかし米国では、85歳以上の高齢者では、男性よりも女性の超過死亡率が高かった。

多くの国で、推定超過死亡数は報告されているCOVID-19による死亡数よりも多かった。例えば、米国および英国の超過死亡数は、いずれもCOVID-19による死亡数より30%以上高く、スペインやポーランド、ハンガリー、ギリシャなどでは50%以上高かった。これとは反対に、イスラエルやフランスなどでは、COVID-19による死亡数が超過死亡数を上回っていた。Islam氏らは、このような差が生じた理由は明確ではないものの、新型コロナウイルスの検査へのアクセスのしやすさや、COVID-19による死亡の定義や記録方法の国ごとの違いにより生じている可能性があると説明している。

Islam氏らは、低中所得国からのデータや、民族性や社会経済的地位などの要因に関するデータの欠如を今回の研究の限界として挙げ、パンデミックが及ぼす多くの間接的な影響は、より長期的な時間枠で見なければ把握できないとしている。それでも同氏らは、「この研究は、年齢および性別ごとの死亡率データを堅牢な手法で分析した大規模研究であり、それゆえ、得られた知見は、総死亡率に対するCOVID-19パンデミックの直接的および間接的な影響に関する、重要な洞察となるものだ」と結論付けている。(HealthDay News 2021年5月20日)

https://consumer.healthday.com/b-5-20-covid-cost-1...

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