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CKDで認知症のリスクが上昇する

CKDで認知症のリスクが上昇する

慢性腎臓病(CKD)が認知症のリスクを高めることを示したデータが報告された。認知症発症に関連するほかのリスク因子の影響を調整後も、軽度の腎機能低下で1.7倍、中等度以上の低下では2.6倍、認知症の新規発症が増える可能性があるという。研究の詳細は「Neurology」に5月5日掲載された。論文の筆頭著者であるカロリンスカ研究所(スウェーデン)のHong Xu氏は、「腎機能のわずかな低下は、心血管疾患や感染症のリスクだけでなく、認知機能の低下とも関連がある」と述べている。

この研究の対象は、ストックホルムに住む65歳以上の高齢者のうち、2006~2011年に医療機関を受診した記録のある32万9,822人。認知症の既往のある人や透析患者、および腎移植後の人は除外されている。

5年間(中央値)の追跡期間中に、1万8,983人(5.8%)が認知症を発症。ベースライン時に腎機能(eGFR)が低下している人は、認知症発症率が高いことが分かった。例えば、eGFRが正常(90~104mL/分/1.73m2)の群の認知症発症率が1,000人年当たり6.56であるのに対し、eGFRが30mL/分/1.73m2未満の群では同30.28だった。

認知症の発症リスクに影響を与え得る因子(喫煙・飲酒習慣、高血圧、糖尿病など)を調整した多変量解析の結果、腎機能正常群に比較し、eGFR30~59mL/分/1.73m2の認知症発症ハザード比(HR)は1.71(95%信頼区間1.54~1.91)、eGFR30mL/分/1.73m2未満ではHR2.62(同1.91~3.58)と、腎機能が低下しているほど認知症リスクが高いという有意な関連が認められた。

また、eGFRが複数回測定されていた20万5,622人のデータを用いて、腎機能低下速度と認知症リスクとの関連が検討された。その結果、1年当たりのeGFR低下が2mL/分/1.73m2を上回った場合に、その後の認知症発症率がより上昇することが分かった。

このほか、認知症を発症した人の10%(同6~14)は、腎機能低下(eGFRが60mL/分/1.73m2以下であること)に起因したものと推計され、この寄与率は心血管疾患や糖尿病など、ほかの認知症リスク因子の影響よりも強いと考えられた。また腎機能低下による認知症発症リスクへの影響は、アルツハイマー型認知症に対してよりも血管性認知症に対して、より強く認められた。

Xu氏は、「現在のところ認知症の効果的な治療法はないため、修正可能なリスク因子を除去して発症を予防・遅延させることが重要だ。腎臓病の治療により認知機能の低下を防ぐことができるのであれば、公衆衛生上の大きなメリットにつながる」と研究の成果を強調している。

なお、米国成人のCKD有病率は約15%と推計されている。しかしCKDは末期になるまで症状が現れないため、90%の患者は自分がCKDであることに気付いていない可能性があるという。(HealthDay News 2021年5月7日)

https://consumer.healthday.com/b-5-6-failing-kidne...

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