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地球温暖化でマラリアやデング熱が拡大

mosquito on human skin

地球温暖化により、マラリアやデング熱などの、蚊が媒介する致死性感染症のリスクに曝される人口が数十億人増える可能性があることを、英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院助教授のFelipe Colón-González氏らが報告した。米国、ヨーロッパ、アジア内で危険地帯が広がっていることが判明したという。この研究結果は、「The Lancet Planetary Health」7月号に掲載された。

マラリアとデング熱は、蚊媒介性感染症としては世界で最も大きな脅威である。Colón-González氏らによると、両疾患の発生地域は増えており、これまで症例のなかった地域に発生したり、数十年にわたり感染例のなかった地域で再び感染者が現れたりするケースが見られるという。マラリアの発生地は高地にまで移行している一方で、都市部での発生が多いデング熱のリスクも世界各地の都市化に伴い増大している。

今回の研究では、地域ごとの人口密度と標高を考慮した上で、今後の気候変動に関するいくつかのシナリオを想定し、それらがマラリアとデング熱の流行シーズンの長さに及ぼす影響の定量化と、これらの疾患リスクに新たに曝される可能性のある人口の推定を試みた。予測は、100年前との比較で2100年までについて行われた。

その結果、マラリア流行地帯が北アメリカ北部、中央ヨーロッパ北部、およびアジア北部へと広がり、デング熱流行地帯も中央ヨーロッパ北部および北米まで広がることが予測された。マラリアの流行シーズンは、アフリカ地域、東地中海地域、および南北アメリカの高地(標高1,000m超)で、2070〜2099年には1970〜1999年と比べて最長1.6カ月延びることが明らかになった。一方、デング熱の流行シーズンについては、西太平洋地域、東南アジア地域、および東地中海地域の低地(標高500m未満)で最長4カ月、標高1,000m超の高地で最長1.1カ月延びることも判明した。このような流行シーズンの延長の幅は、都市部よりも農村部の方が大きかった。

また、マラリアのリスクに曝される人口は経時的に増加し、2071年の36億人の増加でピークを迎え、それ以降は徐々に減少すると予測された。最大の予測値は、温室効果ガスが最も高い水準で排出され続け、社会経済状況の改善も現在のペースのまま続くというシナリオの場合で、2071〜2078年の間に47億人増加するというものであった。デング熱についても同様のパターンが見られ、リスクに曝される人口は2067年の約36億人の増加でピークを迎え、その後は徐々に減少すると予測された。最大の予測値は、マラリアの場合と同じシナリオで、2080年の47億人の増加であった。

Colón-González氏は、「この研究により、温室効果ガスの排出量を減らし、気候変動を抑える必要性が浮き彫りにされた」と主張する。そして、「そうすることで、数百万人がマラリアやデング熱に罹患するのを防げる可能性がある。われわれの研究では、温室効果ガスの排出を抑制することで、両疾患の流行シーズンの長さを大幅に短縮でき、リスク人口も減らせることが示された。地球の気温上昇を2度未満に抑える取り組みを続けなくてはならない」と述べている。

さらにColón-González氏は、「政策立案者や保健当局は、温室効果ガスが高水準で排出され続けた場合を含め、あらゆるシナリオに備える必要がある。特に、現時点ではデング熱やマラリアの患者が見られず、大流行に対処できる医療システムが整っていない地域では重要である」と指摘する。論文の上席著者で、同大学准教授のRachel Lowe氏も、「今後、そのようなホットスポットとなる可能性のある地域、特にこれまでマラリアやデング熱が流行したことのない地域での調査を強化することが、重要となるだろう」との見通しを示している。(HealthDay News 2021年7月8日)

https://consumer.healthday.com/b-7-8-global-warmin...

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