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米国では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックを受けて経済活動を停滞させた責任を各地の保健当局に求め、保健当局者に脅迫行為や嫌がらせを行ってもよいと考える成人の割合が増加していることが、米コーネル大学社会政策学部のColleen Barry氏らの研究で明らかにされた。研究結果の詳細は、「JAMA Network Open」に7月29日掲載された。

本研究では、COVID-19パンデミック下に米ジョンズ・ホプキンス大学で2020年11月11〜30日(以下、2020年の調査)と2021年7月26日〜8月29日(以下、2021年の調査)の2度にわたって実施された調査結果が分析された。2度の調査のいずれにも回答した参加者は1,086人で、平均年齢は49歳、565人(52%)が女性だった。

2020年の調査から2021年の調査までの間に、経済活動の停滞を理由に保健当局者に嫌がらせや脅迫行為を行ってもよいと考える人の割合はともに増加していた(嫌がらせ:20%→25%、強迫行為:15%→21%)。また、科学をあまり信用していない人、または全く信用していない人では、科学に大きな信頼を置く人に比べて、保健当局者への強迫行為を正当視する人の割合がいずれの調査時でも多かった(2020年の調査:35%対7%、2021年の調査:47%対15%)。さらに支持政党別に見ると、2021年の調査時に嫌がらせを正当とみなす人の割合は、共和党で34%だったのに対して民主党では19%と15ポイントの開きがあった。

2020年と2021年の2度の調査の間に、保健当局者に対する嫌がらせや脅迫行為を正当とみなす人の割合が増えていたのは、年収が7万5,000ドル(1ドル135円換算で1013万円)以上の人(脅迫行為で7ポイントの増加)、大学在学歴のある人(脅迫行為で6ポイントの増加)、無党派層の人(嫌がらせで9ポイントの増加)、科学に大きな信頼を置く人(嫌がらせで8ポイントの増加)であった。

研究論文の筆頭著者であるジョンズ・ホプキンス大学のRachel J. Topazian氏は、「パンデミック初期に保健当局に対して敵意を向ける人は、科学を疑う人とパンデミックによる悪影響を大きく受けた人が中心だった。この点は今も変わりはないが、われわれの研究からは、経済的に恵まれた人や科学に大きな信頼を寄せる人の中にも、そのような考えを持つ人が増えつつあることが明らかにされた」と話す。研究グループは、こうした動向の一因に、人々の「パンデミック疲れ」があるのではないかとの見方を示している。

Barry氏は、「このような嫌がらせにより人的損失が生じている。保健当局では多くの人が辞職しており、仕事の継続を選択した人も、メンタルヘルスの問題を報告している」と話している。(HealthDay News 2022年8月2日)

https://consumer.healthday.com/b-8-1-2657775404.html


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