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コロナの感染予防対策で小児のウイルス性呼吸器疾患が激減

a sick girl in a bed
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック中には、ソーシャルディスタンシングとマスク着用の義務付けにより、小児ではインフルエンザとRSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)感染症の症例がほとんど見られなかったことが、新たな研究で明らかにされた。この研究を実施した米アクロン小児病院の医師Osama El-Assal氏は、「数字は噓をつかない。マスク着用、適切な衛生管理や隔離は、呼吸器系ウイルスの流行シーズンに、高齢者や乳幼児のような脆弱な集団を保護する有効な手段となる可能性がある」と述べている。この研究結果は、米国小児科学会年次集会(AAP 2021、10月8〜11日、オンライン開催)で発表された。

季節性インフルエンザは、世界人口の最大15%が罹患し、医学的に脆弱な小児や高齢者にとっては致命的となることがある。また、米国では、年間約30万件のRSウイルス感染症による救急科受診があるという。

アクロン小児病院のある米オハイオ州北東部では、10月から4月までがウイルス性呼吸器疾患の流行シーズンに当たる。2020年のこの期間には、同州では米国内の他の地域と同様、新型コロナウイルス感染対策として、学校閉鎖、移動制限、ソーシャルディスタンシング、マスク着用などが実施されていた。El-Assal氏らは、ソーシャルディスタンシングとマスク着用がインフルエンザとRSウイルス感染症への罹患に与えた影響を調べるために、この期間中のアクロン小児病院での両疾患の症例数を、2018~2019年および2019~2020年の同期間の症例数と比較した。

その結果、RSウイルス感染症の罹患率は、2018~2019年および2019~2020年では12月にピークに達していたが(2018〜2019年:28.9%、2019~2020年:24.7%、両期間とも平均8.8%)、2020~2021年には、同病院では症例報告がなかった。一方、インフルエンザA型の罹患率は、2018~2019年および2019~2020年では2月にピークに達していた(2018〜2019年:40.9%、平均13.6%、2019〜2020年:24.1%、平均6.1%)。インフルエンザB型は、2018~2019年はシーズンを通して罹患率が低く(平均0.3%)、2019~2020年では1月がピークであった(24.0%、平均6.8%)。これに対して2020~2021年では、インフルエンザB型の2例が報告されたのみで、A型の症例報告はなかった。しかし、2021年3月にオハイオ州でソーシャルディスタンス維持の規則が緩和されるとすぐに、RSウイルスなどの感染症が再び報告されるようになった。

研究グループは、「今回の結果から、ソーシャルディスタンシングとマスク着用の義務付けは、重症化の危険性がある感染症に対する小児の罹患を減らす上で有効な方法となることがうかがわれる」と結論付けている。これまでの研究では、ソーシャルディスタンシングとマスク着用により、インフルエンザウイルスの伝播を低減できることが示されている。ただし研究グループは、今回の研究では考慮されていない学校閉鎖や移動制限も、インフルエンザとRSウイルス感染症の罹患率低下を後押しした可能性があるとしている。

なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2021年10月8日)

https://consumer.healthday.com/b-e-10-8-12am-pande...

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