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小児期の体格は1型糖尿病のリスクに直接的に影響するという研究報告が、「Nature Communications」に4月28日発表された。英ブリストル大学のTom G. Richardson氏らによる今回の研究は、メンデルランダム化(MR)解析を用いたもので、この関係性には因果関係があると推定されるという。

本研究では、1型糖尿病のリスクに小児期の体格が影響を及ぼすか否かを調べるためにMR解析を行った。まず、英国の大規模データベースであるUKバイオバンクの参加者45万3,169人のデータを用いて、体格に関連する遺伝子変異を特定するゲノムワイド関連分析(GWAS)を実施した。UKバイオバンクでは、参加者に対し10歳時の体格が「やせ」「平均」「太め」の3カテゴリのうちいずれであったかを尋ねており、その回答を小児期の体格として関連する遺伝子変異を特定した。また、参加者が平均56.5歳の時に測定したBMIについても同様に3カテゴリに分け、成人期の体格として関連する遺伝子変異を特定した。さらに出生体重のデータがある参加者26万1,932人では、出生時の体格に関連する遺伝子変異も特定した。

次に、体格に関連するこれらの遺伝子変異と疾患リスクの関連性を調べるため、既存のメタ解析研究で報告された1型糖尿病患者5,913人、対照者8,828人のデータセットを対象にMR解析を行った。さらに、複数の既存研究からより大規模なデータセットを作成し、1型糖尿病患者1万5,573人、対照者15万8,408人においても同様の解析を行い、結果を検証した。

MR解析の結果、小児期の体格は1型糖尿病のリスクに影響しており、体格カテゴリが1段階変化する時のオッズ比(OR)は2.05であった〔95%信頼区間(CI)1.20~3.50、P=0.008〕。より大規模なデータセットにおけるメタ解析でも同様の結果が示された(OR 1.84、95%CI 1.19~2.83、P=0.006)。多変量MR解析の結果、小児期の体格は1型糖尿病のリスクに直接的に影響していた(同2.27、1.24~4.17、P=0.008)が、成人期の体格による影響は有意ではなかった(同0.92、0.54~1.57、P=0.760)。より大規模なデータセットにおけるメタ解析でも、小児期の体格のみが1型糖尿病のリスクに影響していた(同1.94、1.21~3.12、P=0.006)。成人期の体格に加え、遺伝的に推定した出生体重を調整した多変量MR解析でも、小児期の体格は1型糖尿病のリスクに直接的に影響していた(同2.32、1.21~4.42、P=0.013)。

さらに他の免疫関連疾患(喘息、アトピー性皮膚炎、甲状腺機能低下症、関節リウマチ、炎症性腸疾患)についても、小児期および成人期の体格による影響を評価するため、単変量および多変量のMR解析を行った。その結果、単変量MR解析において小児期の体格は喘息(同1.31、1.08~1.60、P=0.007)、アトピー性皮膚炎(同1.25、1.03~1.51、P=0.024)、甲状腺機能低下症(同1.42、1.12~1.80、P=0.004)のリスクに影響していた。ただし、いずれの疾患でも成人期の体格による影響も認められ、多変量MR解析において成人期の体格を考慮した場合、小児期の体格による影響は有意ではなくなった。

著者らは「今回の結果から、小児期の肥満は1型糖尿病の患者数の増加に影響しており、小児期の肥満の有病率を低下させるための予防策が重要であることが明らかになった。こうした対策は医療における負担を軽減し、1型糖尿病と生涯付き合うことになる患者のQOL改善につながる可能性がある」と述べている。

なお、著者2名が製薬企業との利益相反(COI)を開示している。(HealthDay News 2022年5月2日)

https://consumer.healthday.com/childhood-body-size-has-causal-impact-on-t1d-risk-2657247468.html

Abstract/Full Text


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