小児期の受動喫煙は成人期の関節リウマチ発症リスクと関連

Smoking

両親の喫煙により小児期にタバコの煙に曝露した小児では、成人期に関節リウマチ(RA)の発症リスクが増大することが、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院の吉田和樹氏らにより報告された。この関連は、成人期の喫煙習慣を調整した後でも認められたという。研究結果は、「Arthritis & Rheumatology」に8月18日掲載された。

吉田氏らは、1989年に看護師健康調査II(Nurses' Health Study II;NHSII)に登録された25〜42歳(平均年齢34.5±4.7歳)の米国人女性看護師9万923人から、2年に1度の頻度で集められた回答データを収集。喫煙に関しては、1999年の追加質問票で収集された、1)母親の妊娠中の喫煙習慣(子宮内曝露)、2)小児期における親の喫煙習慣、3)成人期の能動喫煙習慣、に関するデータを参照した。さらに、これらのNHSII参加者の診療記録から、RAの発症と血液中のRAに関わる抗体の有無についての情報も収集した。これらのデータを元に、統計的モデルを用いて、受動喫煙がRA発症に与える直接的な影響の大きさを推定した。

中央値で27.7年間に及ぶ追跡期間中に、532人がRAの確定診断を受けていた。このうちの352人は自己抗体(リウマトイド因子か抗CCP抗体)が陽性、180人は陰性だった。

Cox比例ハザードモデルを用いた解析で、母親の妊娠中の喫煙は、受動喫煙に時間的に先行する交絡因子(人種/民族、両親の学歴と職業、自宅の保有権など)の調整後も、自己抗体の陽性・陰性に関係なくRAの発症と関連していた〔ハザード比(HR)1.25、95%信頼区間(CI)1.03〜1.52〕。しかし、この関連は、成人後の喫煙を考慮した後では有意ではなくなった。

小児期の親の喫煙に関しては、交絡因子の調整後も、自己抗体陽性のRAの発症と関連していた(HR 1.41、95%CI 1.08〜1.83)。さらに、対象者本人の成人期の能動および受動喫煙量を考慮しても、小児期の親の喫煙は、自己抗体陽性のRAの発症リスクに直接的な影響を及ぼすことが判明した(同1.75、1.03〜2.98)。この関連は、対象者自身が能動喫煙者であると強まった(同2.18、1.23〜3.88)。その一方で、18歳以降に喫煙者と同居した期間とRA発症との間に有意な関連は認められなかった(同1.30、0.97〜1.74)。

著者らは、「今回の研究結果は、小児期の親からの受動喫煙と成人期の能動喫煙の双方が、成人期の自己抗体陽性RAの発症リスクを高めるとする、ライフコース疫学の累積曝露モデルと極めて高い一致度を示している。特に、小児期の受動喫煙は、成人期の能動喫煙の影響を増幅させ得るリスク因子といえそうだ」と述べている。

なお、2人の著者が、バイオ医薬品業界との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2021年8月18日)

https://consumer.healthday.com/childhood-parental-...

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