重症COVID-19患者への回復期血漿投与は転帰改善につながらない

Henderson plasma
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重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者への回復期血漿投与は転帰改善をもたらさないとする研究結果が、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に10月4日掲載された。国際多施設共同研究「REMAP-CAP(randomized, embedded, multifactorial, adaptive platform trial for community-acquired pneumonia)」のデータを解析した結果であり、英オックスフォード大学のLise J. Estcourt氏ら、同研究グループが報告した。

COVID-19罹患後の回復期にある患者の血漿には、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する特異的抗体が含まれているため、これを採取して他のCOVID-19患者の治療に用いる試みが続けられている。ただし、この回復期血漿投与の有効性に関してはこれまでのところ、一貫した結果が得られていない。Estcourt氏らの研究は、REMAP-CAPのデータを用いてこの点を検討したもの。

REMAP-CAPは、重症市中肺炎患者の最適な治療戦略を探索する目的で進められている非盲検試験。登録対象はCOVID-19患者に限らない。今回の研究では、2020年3月9日~2021年1月18日に4カ国129の施設で登録された、COVID-19成人患者が2021年4月19日まで追跡された。

患者は無作為に二分され、1群には高力価ABO適合回復期血漿(総量550±150mL)が割り付け後48時間以内に投与され、他の1群は比較対照群とされた。一次エンドポイントは、21日目までの臓器サポートを必要としない日数(死亡例は-1日と算定)であり、二次エンドポイントとして院内死亡率、呼吸管理を要した期間、ICU滞在期間、静脈血栓塞栓症発症率などを評価した。無作為化割り付けされた重症COVID-19患者は2,011人で、年齢は中央値61歳(四分位範囲52~70)、女性32.3%だった。

臓器サポートを要さない日数は、回復期血漿投与群が中央値0日(同-1~16)、対照群は3日(-1~16)で有意差がなかった。また院内死亡率は同順に37.3%、38.4%、生存退院患者の在院日数は中央値14日(3~18)、14日(7~18)であり、その他の評価された二次エンドポイント項目を含め、いずれも群間に有意差はなかった。

対照群を基準とする回復期血漿投与群の臓器サポートを要さない日数の調整オッズ比は0.97(95%信頼区間0.83~1.15)であり、回復期血漿投与の無益性の事後確率(オッズ比1.2未満)は99.4%だった。重篤な有害事象は、回復期血漿投与群3.0%、対照群1.3%に記録されていた。回復期血漿投与群で認められた重篤な有害事象のうち1件は、治療介入に関連している可能性があると考えられた。

これらの結果を基に研究グループでは、「成人の重症COVID-19患者への高力価ABO適合回復期血漿の投与によって、臓器サポートを要さない期間が短縮される可能性は低い」と結論付けている。

なお、一部の著者が、製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2021年10月14日)

https://consumer.healthday.com/convalescent-plasma...

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