性行為中の心臓突然死リスクは高くない

性行為中の心臓突然死リスクは高くない
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性行為中の心臓突然死のリスクは、それほど高いものではないとする研究報告が、「JAMA Cardiology」に1月12日、レターとして掲載された。英セントジョージ大学のMary Sheppard氏らの研究によるもの。

この研究報告について、米国心臓病学会(ACC)の患者教育ウェブサイト「CardioSmart.org」の元編集長であるMartha Gulati氏は、「中年の男性が誰かと浮気をしている最中に、そのような事態が起こるのではないかといった想像は“都市伝説”のようなものだ」と語っている。性行為の最中に、時には心臓が止まったように感じることがあるかもしれないが、それは単なる情熱の高まりであって、生命を脅かすような状態ではないことを、今回の英国からの報告も含め多くの医学的エビデンスが示しているとのことだ。

Sheppard氏は、セントジョージ大学の心臓病理学センターで施行された、過去四半世紀(1994年1月1日~2020年8月31日)の心臓突然死6,847症例の解剖所見の記録と関連データを解析。その結果、17人(0.2%)が性行為中または性行為後1時間以内に死亡していたことが分かった。

この17人の死亡時の平均年齢は38±18歳であり、性別は男性が65%だった。逆に言えば、35%は女性だった。この点についてGulati氏は、「通常、性行為中の心臓突然死は男性に発生するものと思われており、興味深い発見だ」と語っている。なお、全体の約半数は何らかの心臓の問題が関係して突然死に至ったと考えられたが、他の約半数に当たる9人(53%)は、明らかな原因が特定されなかった。

今回の研究報告に対して、米アラバマ大学バーミンガム校のMichael Kurz氏は、「性行為は、ほかの活発な身体活動ほど危険なものではない」とコメントしている。また、Gulati氏も「性行為の最中に心不全で亡くなる人が非常に少ないのは当然のことだ」と語っている。

Gulati氏はその理由を、「われわれは性行為よりも多くのエネルギーを発する身体活動を普段からたくさんこなしている。性行為による心臓への負担を心配するのであれば、それより先に、階段を上ることを心配しなければならない」と説明する。

ただ、Kurz氏とGulati氏はともに、今回報告された研究が、心臓突然死症例のみを解析対象としている点を、研究の限界点として挙げている。つまり、性行為中に心停止に至っても、その後の救命処置により死亡に至らなかったケースもあるだろうとの指摘だ。そして、パートナーがジョギングをしている時や、エルゴメーターをこいでいる時、また性行為をしている時も、何かあったら心肺蘇生(CPR)ができ、自動体外式除細動器(AED)を使えるようになっておく必要があるとしている。

さらにKurz氏は、「心臓突然死を防ぐことができるか否かは、時間との戦いだ。直ちに発見し対処するほど、生存につながる可能性が高まる。性行為中に心臓発作を起こした人は必ず亡くなるというのは、ハリウッドの世界の話に過ぎない」と付言。Gulati氏もまた、「万一の時には恐れず、近くにいる人がCPRを行うべきだ。そうすることで、一人の命を救うことができる」と付け加えている。(HealthDay News 2022年1月13日)

https://consumer.healthday.com/death-during-sex-26...

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