免疫チェックポイント阻害薬が進行子宮体がんに有効か

cancer patient
Adobe Stock

いくつかの種類のがんに対する免疫療法で使われている免疫チェックポイント阻害薬が、アグレッシブな(進行の早い)子宮体がんにも有効であるとする第2相臨床試験の結果が報告された。米オハイオ州立大学総合がんセンターの婦人科腫瘍学者David O’Malley氏らによるこの研究結果は、「Journal of Clinical Oncology」に1月6日掲載された。

この臨床試験は、世界15カ国、38カ所の病院で治療を受けている再発または進行子宮体がん患者90人を対象に、ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)の有効性と安全性を検討したもの。対象者のがんは、ミスマッチ修復機能欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有するものだった。ペムブロリズマブは、T細胞上の受容体(PD-1)に結合して免疫抑制シグナルの伝達を阻害することで、がん細胞によるT細胞活性化の抑制を解除し、T細胞ががん細胞を攻撃できる力を維持するもので、悪性黒色腫、肺がん、頭頸部がん、子宮頸がん、胃がんの治療で既に使用されている。今回の試験対象者は、1回200mgのペムブロリズマブの静脈投与を3週間間隔で35サイクル(約2年間)受けた。追跡期間は中央値で42.6カ月に上った。

ペムブロリズマブの投与を1回以上受け、かつ追跡期間が26週間以上であった79人を対象に有効性を検討した結果、対象者の48%(38人)が治療に対して奏効を示したことが明らかになった(完全奏効14%、部分奏効34%)。これらの患者の3分の2(68%)では、治療効果が3年以上継続した。さらに、79人の患者のうち、追跡調査時に治療の標的とされていた腫瘍の評価を1回以上受けた75人では、75%(56人)で腫瘍サイズの縮小が確認された。

O’Malley氏は、「これらの結果は、ペムブロリズマブによる治療が、アグレッシブな子宮体がん患者に長期的なベネフィットをもたらすことを示唆している。再発または転移性子宮体がん患者では、この治療法により治癒を目標とすることさえ可能かもしれない」と話す。

子宮体がんは、子宮の内側を覆う子宮内膜から発生するがんで、近年、増加傾向にある。研究グループによると、子宮体がんに対しては、プラチナ製剤を用いた化学療法が効果的に働く可能性があるが、多くの患者でがんの再発が起きるのだという。がんが再発したり広がった場合に使える治療法は、現状では限定的である。そのため、進行または再発子宮体がん患者の5年生存率は、わずか17%だという。

子宮体がん患者では、最大31%でがんにMSI-HighやdMMRとして知られるDNA修復機能の異常が認められる。O’Malley氏は、「こうした異常をもたらす遺伝子変異は、通常は腫瘍細胞に生じるものであり、遺伝性のものは限定的だ」と説明する。そして、「ペムブロリズマブによりこのダメージを受けた経路を標的にすることで、細胞メカニズムをリセットし、免疫系を再活性化させてがん細胞を攻撃できるようにすることができる」と述べている。

研究グループは、MSI-High/dMMR陽性腫瘍を有する子宮体がん患者に対しては、これまで標準的な二次治療がなかったことを指摘。その上で、「ペムブロリズマブによる治療効果は、最も頻繁に使用される二次化学療法で予想される10〜15%の奏効率に比べると、全体的に非常に高い」と強調している。(HealthDay News 2022年1月13日)

https://consumer.healthday.com/endometrial-cancer-...

Consumer Japanese