夜勤労働は心房細動のリスクを高める可能性

夜勤労働は心房細動のリスクを高める可能性

現在および生涯にわたる夜勤労働は、心房細動のリスクを高める可能性があるという研究結果が、「European Heart Journal」に8月10日掲載された。

上海交通大学(中国)のNingjian Wang氏らは、現在の夜勤労働と心房細動のリスクとの関連や、夜勤労働の年数および頻度と心房細動のリスクとの関連について検討し、これらの関連が遺伝的脆弱性による影響を受けるか否かを評価するコホート研究を行った。さらに、夜勤労働と冠動脈性心疾患(CHD)、脳卒中および心不全との関連についても評価した。

雇用労働者または自営業の労働者で心房細動の既往のない28万3,657例と、UKバイオバンクの参加者で、CHD、脳卒中および心不全の既往のない27万6,009例を解析対象とした。Cox比例ハザードモデルを用いて、夜勤労働と心房細動のリスクとの関連を評価した。

追跡期間中(中央値10.4年)に5,777件の心房細動が報告された。UKバイオバンクの参加者を対象に、現在の勤務形態と心房細動のリスクとの関連を検討したところ、日勤労働者と比較して、夜勤シフトが全くないか、まれである交替勤務の労働者〔心房細動のハザード比(HR)1.09、95%信頼区間(CI)0.99~1.19〕、ときどき夜勤シフトになる交替勤務の労働者(同1.10、0.97~1.24)、および夜勤常勤または夜勤専属の労働者(同1.12、0.98~1.28)で心房細動のリスクが有意に高く、夜勤労働が占める割合が高くなるほど心房細動のリスクが高くなる傾向が認められた(P for trend=0.013)。

夜勤労働に従事した期間と心房細動のリスクとの関連を多変量調整モデルで解析した結果、生涯にわたって夜勤労働をしたことがない労働者と比較して、夜勤労働の年数が10年以上の労働者(HR 1.18、95%CI 0.99~1.40)、および生涯にわたる夜勤労働の頻度が月平均3~8日の労働者(同1.22、1.02~1.45)で心房細動のリスクが高いことが明らかになった。心房細動の遺伝的素因によるこれらの関連の変化はみられなかった。

CHDのリスクについても同様の解析をした結果、現在の勤務形態が夜勤常勤または夜勤専属の労働者(HR 1.22、95%CI 1.11~1.35)、夜勤労働の年数が10年以上の労働者(同1.37、1.20~1.58)、および生涯にわたる夜勤労働の頻度が月平均3~8日の労働者(同1.35、1.18~1.55)でCHDのリスクが高かった。夜勤労働と脳卒中および心不全のリスクとの間に有意な関連は認められなかった。

共著者の一人は、「今回のような研究では、夜勤労働と心房細動および心臓病との因果関係を明らかにすることはできない。しかし、本研究の結果は、現在および生涯にわたる夜勤労働が、心房細動や心臓病のリスクを高める可能性があり、夜勤労働の頻度と期間の両方を減らすことが心臓と血管の健康に好影響をもたらす可能性があることを示唆している」と述べている。(HealthDay News 2021年8月30日)

https://consumer.healthday.com/night-shifts-tied-t...

Abstract/Full Text

Physician's briefing japanese