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RAS阻害薬を中止すると透析が減るが心血管疾患が増える

dialysis

RAS阻害薬という降圧薬が使われている慢性腎臓病(CKD)患者では、その使用を中止すると透析のリスクが低下する一方で、心血管疾患や死亡のリスクが上昇することが分かった。カロリンスカ研究所(スウェーデン)のJuan Jesus Carrero氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of the American Society of Nephrology」に12月28日掲載された。

RAS阻害薬はレニン-アンジオテンシン系阻害薬の略。ACE阻害薬(薬剤名の末尾が「プリル」の薬)と、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(薬剤名の末尾が「サルタン」の薬)という二つのタイプの降圧薬が含まれる。いずれも腎臓病の早期から中期には腎機能低下抑制が期待でき、糖尿病のために腎機能が低下している患者も含め、CKD患者によく処方される。また、心不全や心血管疾患の患者への処方頻度も高い。しかし、腎機能の低下が進行した患者での効果や安全性については議論の余地が残されている。

Carrero氏らは、スウェーデンで2007~2017年に腎臓内科医によりRAS阻害薬を用いた治療が行われていた、腎機能低下が進行しているCKD患者(eGFRが30mL/分/1.73m2未満であり、腎機能が健康な若年成人のおよそ30%未満に低下している患者)1万254人の経過を5年間追跡した。対象者は、年齢中央値が72歳、女性が36%、eGFRは中央値23mL/分/1.73m2だった。

全体の15%にあたる1,553人は、RAS阻害薬による治療開始から6カ月以内に処方が中止されていた。RAS阻害薬の処方が中止された患者は、処方が継続されていた患者よりも、追跡期間中に腎代替療法(透析治療や腎移植)が必要となるリスクが低かった(36.1%対27.9%)。RAS阻害薬の処方中止群と処方継続群の絶対リスクの差は-8.3%(95%信頼区間-12.8~-3.6)だった。

その一方で、死亡率(40.9%対54.5%)と、主要心血管イベント発生率(47.6%対59.5%)は、RAS阻害薬の処方が中止された患者の方が高かった。絶対リスク差はそれぞれ13.6%(同7.0~20.3)、11.9%(同5.7~18.6)。

論文の筆頭著者であるライデン大学(オランダ)のEdouard Fu氏は、「腎機能低下がある程度進行したCKD患者では、RAS阻害薬の使用を中止すると腎機能が改善して腎代替療法の必要性を先延ばしできる可能性がある。ただし、それと引き換えに心血管イベントのリスクが高まる可能性がある」とまとめている。またCarrero氏は、「RAS阻害薬による治療を一律に中止するのではなく、心血管系に対する同薬の保護効果と腎臓への潜在的なリスクを比較し、慎重に判断することの必要性が示された」と述べている。

この研究結果に関連して、米レノックス・ヒル病院のMaria DeVita氏は、「1990年代初頭からRAS阻害薬は、タンパク尿を呈するCKD患者の病期進行を抑制する治療の中心に位置付けられているが、リスクも存在する」と解説。そして、「今もって分からないことは、同薬のメリットがどの病期まで期待でき、リスクはいつ芽生えるのかという点だ」と現状の課題を提示する。

DeVita氏は、「この問題の結論は、ランダム化比較試験が行われ、その結果が示されるまで得ることはできない」とし、現時点で臨床医は、「患者の病状と病歴とをトータルに把握して、RAS阻害薬を中止すべきか継続すべきかを、総合的に判断する必要がある」と述べている。(HealthDay News 2021年1月14日)

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