乳児期からのジュースで小児期の加糖飲料の摂取量が増える?

juice
Adobe Stock

乳児期から果汁100%のジュースや砂糖が添加されたジュース(以下、ジュース)などを与えられた子どもは、小児期に肥満や虫歯の原因にもなり得る甘い飲み物の摂取量が増える傾向にあることが、米国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)のEdwina Yeung氏らによる研究から明らかになった。研究結果は、「The Journal of Nutrition」11月号に発表された。

米国小児科学会(AAP)は、小児に果汁100%のジュースを与えるのであれば、生後12カ月を過ぎてからにすべきことを推奨している。しかし、実際には乳児期にジュースを与える親は少なくない。そこで、Yeung氏らは今回、米国のコホート研究に参加した4,067人の母親から収集したデータを調査した。なお、同研究では研究に参加した母親の子どもを、出生時から7歳まで追跡調査していた。また、子どもに与えられたジュースの種類(果汁100%のものか、砂糖が添加されたものか)については区別されていなかった。

その結果、研究の対象となった母親の25%が、子どもが生後6カ月未満で、49%が生後6カ月から12カ月までの間に、26%が生後12カ月以降にジュースを与えていた。また、生後6カ月未満でジュースが与えられていた小児では、生後12カ月以降にジュースを与えられた小児と比べて、小児期にジュースの摂取量が多くなるリスクが50%高く、炭酸飲料の摂取量が多くなるリスクが60%高いことが明らかになった。さらに、生後12カ月未満でジュースを与えられた小児では、生後12カ月以降にジュースを与えられた小児と比べて小児期に1日当たりの水の摂取量が少ない傾向にあることも分かった。このほか、乳児期早期から子どもにジュースを与えていた母親には、若めの年齢、黒人またはヒスパニック系、低い教育レベル、「女性、乳児および小児(WIC)のための特別な補助栄養プログラム」参加者、妊娠中の喫煙歴、妊娠前のBMI高値、という傾向があることも判明した。

今回の研究には関与していない、栄養学の専門家で米コーエン小児医療センターのAudrey Koltun氏にとって、この研究結果に驚きはなかった。同氏は、「子どもにジュースを飲ませるならいつからが良いか」と聞かれたときには、決まって「飲ませない方がいい」と答えているという。その理由として、「乳児や小児にジュースは必要ない。ジュースには高濃度の砂糖が含まれているが、食物繊維は含まれていない」と説明する。

Koltun氏は、「ジュースなどの甘い飲み物を与える量が増えれば増えるほど、子どもは味がないからという理由で水を飲まなくなるようになってしまう」と指摘する。これについてはYeung氏らも同意見で、乳児期にジュースを与えないようにすれば、子どもたちが成長したときにカロリーの含まれない水を飲む習慣を身に付けやすくなるとしている。

ただし、Yeung氏らは今回の研究ではジュースの種類が考慮されていない点を強調。乳児期から与える飲み物が果汁100%のジュースか、あるいは砂糖が添加されたジュースかで、その後の飲み物の嗜好に与える影響に違いが生じるのかどうかが今後の研究課題になるとしている。

一方、Yeung氏らの研究について、米ノースウェル・ヘルス・ハンチントン病院小児科のMichael Grosso氏は、小児期の甘い飲み物の摂取量が多いことには、乳児期早期からのジュースの摂取以外の要因が影響した可能性があり、この研究で因果関係が証明されたわけではない点を指摘。その上で、「小児の診療に携わっている医師であれば、ジュースが与えられている幼い乳児には食行動に問題が生じるリスクがあることを承知しているはずだ。そのような不健康な食行動は、歯科疾患や肥満といった重要な問題を引き起こす可能性を高めてしまう」と説明している。(HealthDay News 2021年11月24日)

https://consumer.healthday.com/sb-11-24-adding-fru...

Consumer Japanese