飼い犬が糖尿病だと飼い主の糖尿病リスクが高い

an older man with a dog

飼っている犬が糖尿病の場合、その飼い主が糖尿病になるリスクが高く、また、飼い主が糖尿病の場合、その飼い犬が糖尿病になるリスクが高いという研究結果が発表された。猫に関してはこのような関係は認められないという。ウプサラ大学(スウェーデン)のBeatrice Kennedy氏らの研究によるもので、詳細は「The BMJ」に12月10日掲載された。

Kennedy氏らはこの研究に、獣医保険データベースを利用した。2004~2006年に、20万8,980件の飼い犬と飼い主のペア、および12万3,566件の飼い猫と飼い主のペアが登録されており、これらを2007~2012年まで追跡し、ペットの糖尿病発症を把握した。また、スウェーデンの全国患者登録、死因調査、処方薬データベースから、飼い主の糖尿病発症を把握した。

追跡期間中の犬の飼い主の2型糖尿病罹患率は、1,000人年当たり7.7で、猫の飼い主は7.9だった。一方、ペットの1,000匹年当たり糖尿病罹患率は、犬が1.3、猫は2.2だった。

糖尿病のない犬の飼い主と比較すると、糖尿病のある犬の飼い主の2型糖尿病発症ハザード比(HR)は1.38(95%信頼区間1.10~1.74)だった。飼い主の年齢、性別、出生地、居住地域、人口密度、教育歴、婚姻状況、可処分所得、および犬の性別、年齢、犬種などで調整後もHR1.32(同1.04~1.68)と、引き続き有意に高リスクだった。

また、飼い主が2型糖尿病であることは、犬の糖尿病リスクとも関連が見られ、HR1.28(同1.01~1.63)だった。ただし、前記の因子で調整後には、この関連は有意でなくなった(HR1.11、同0.87~1.63)。猫に関しては、前記の関連因子での調整の有無にかかわらず、飼い主および猫、双方の糖尿病発症リスクに、有意な関連は認められなかった。

このような関連の背景としてKennedy氏は、「犬とその飼い主は同じ家で居住し、同じような行動上のリスクを共有している。そのリスクとは、例えば、何を食べるかや、ふだんの運動量といったことだ」と語っている。この考え方には、本研究に関与していない米レノックス・ヒル病院のMinisha Sood氏も同意を表している。

「現代社会では身体活動量が確実に減少しているが、身体的に活動的な飼い主が飼っている犬は身体的に活動的であると考えられる。身体活動によって飼い主とペット双方のインスリン抵抗性が抑制され、それが2型糖尿病発症リスク低下につながる」とSood氏は解説する。その一方、「犬とその飼い主が不活発な生活を送っていたり、不健康な食生活を送っている場合、双方のインスリン抵抗性が亢進する。その結果として、2型糖尿病のリスクが高まる」と同氏は述べている。

このような関係をKennedy氏は、「飼い犬は飼い主の"番犬"と言える。飼い犬が糖尿病であることは、飼い主にも糖尿病リスクが迫っていることを警告してくれていると考えられる」と表現している。なお、同氏によると、これまでにも犬の肥満と飼い主の肥満が関連するとの研究報告があるという。(HealthDay News 2020年12月10日)

https://consumer.healthday.com/sb-12-11-dogs-their-humans-share-same-diabetes-risk-study-2649429345.html

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