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聴覚・視力双方が低下すると認知症のリスク上昇?

looking into the ear canal

聴覚と視力の双方が低下していると、認知症のリスクが約2倍に上昇する可能性を示唆するデータが報告された。ただし聴覚または視力のいずれかのみが低下している場合、有意な影響は認められないという。江原大学校(韓国)のJin Hyeong Jhoo氏らの研究によるもので、詳細は「Neurology」に4月7日掲載された。

聴覚と視力の双方が低下している場合と、いずれか一方のみが低下している場合とで影響が異なるという研究結果について、Jhoo氏は、「理由は明らかでないが、機能低下がいずれか一方のみであれば通常、脳の働きの刺激となる社会的な接触の機会を維持でき、また双方が低下している人ほど孤立したり落ち込んだりすることが少ないためではないか」と述べている。同氏によると、聴覚と視覚の障害は孤立やうつのリスクを高め、孤立やうつは認知症のリスクを高める可能性が先行研究から示されているという。

Jhoo氏らの研究では、まず58~101歳の6,520人に対し、補聴器や眼鏡の使用状況を質問し、聴覚や視力の低下の有無を把握した。具体的には、聴覚に関しては、本人の回答を基に、正常、低下しているが補聴器なしでコミュニケーション可能、補聴器をしてもコミュニケーション困難、まったく聞こえないなどに分類。視力については、正常、低下しているが眼鏡なしで新聞やテレビを見ることができる、眼鏡をしても新聞やテレビを見るのが困難、まったく見えないなどに分類した。

研究登録時点でどちらも正常だった人は932人、いずれか一方が低下していた人が2,957人、双方が低下していた人が2,631人だった。どちらも正常の人を基準にすると、双方が低下している人が認知症である確率は2倍以上高いことが明らかになった〔オッズ比(OR)2.17(95%信頼区間1.17~4.02)〕。いずれか一方のみが低下している人が認知症である確率は、双方正常な人と有意差がなかった〔OR1.27(同0.66~2.41)〕。

この研究登録後、6年間にわたって2年ごとに認知機能を評価し変化を追跡した。追跡期間中に、245人が新たに認知症を発症。脱落者を除いた集計で、双方が低下していた群では1,964人中146人、いずれか一方のみが低下していた群では2,396人中69人、どちらも正常だった群では737人中14人が認知症を発症していた。

認知機能に影響を及ぼし得る因子(性別、教育歴、収入など)を調整後、聴覚と視力の双方が低下していた群は、どちらも正常だった群に比較し、新たに認知症を発症するリスクが2倍近く高いことが明らかになった〔ハザード比1.9(95%信頼区間1.04~3.46)〕。いずれか一方のみが低下していた群の認知症発症リスクは、どちらも正常だった群と有意差がなかった。このほか、聴覚と視力の双方の低下は、神経心理学的検査のスコアと負の相関があることも分かった〔β=-0.87(同-1.17~-0.58)〕。

Jhoo氏は、「聴覚や視覚の機能低下は本人にとって苦痛であり、日常生活に影響を及ぼすことがある。しかし、われわれの研究結果は、双方の機能を失うことが、より強く懸念されることを示唆している」と、論文掲載誌のニュースリリースの中で語っている。

この報告に対し、米レノックス・ヒル病院などの医療機関の耳科神経学部門を指揮するDarius Kohan氏は、「いくつかの疑問を残した研究だ」と評論している。Kohan氏はまず、聴覚や視覚が臨床検査ではなく、研究参加者本人からの自己報告を基に評価していることや、対象が韓国人のみであることを研究上の限界点として指摘。また、米国を含めた他の国で実施された研究からは、聴覚機能障害のみが認知機能の低下に影響を及ぼすという結果が報告されているという。同氏は、「高齢者の難聴がコミュニケーションの喪失や社会的孤立を促進させ、認知機能の低下につながる可能性を示す多くの研究が存在する」と述べている。(HealthDay News 2021年4月7日)

https://consumer.healthday.com/sb-4-8-diminished-h...

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