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菜食主義者は肉食者よりも病気になりにくい?

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肉食をやめることで、病気の発症や進行に影響を及ぼす不健康なバイオマーカーのレベルを下げられる可能性があることを示すエビデンスが、また一つ増えた。野菜や果物中心の食生活を送る菜食主義者では、疾患に関わるバイオマーカーレベルの低いことが明らかになった。英グラスゴー大学のCarlos Celis-Morales氏らによるこの研究結果は、欧州肥満学会(ECO 2021、5月10〜13日、オンライン開催)で発表された。

バイオマーカーは、がんの発症を促すこともあれば抑制することもあるなど、健康にとって有益にも有害にも働く。それゆえバイオマーカーは、食事が健康に与える影響を評価するために、幅広く用いられている。しかし、菜食主義の食事がバイオマーカーに与える影響については、これまでのところ明らかにされていない。

そこでCelis-Morales氏らは今回、UKバイオバンクに登録されている、37〜73歳の英国人17万7,723人のデータを用いて、菜食主義の食事が各種のバイオマーカーに及ぼす影響を検討した。対象者は並存疾患のない健康な人で、過去5年間の食生活に大きな変化がないことを報告していた。自己報告に基づき対象者を、赤肉、鶏肉、魚を食べない菜食主義者(4,111人)と肉食者(16万6,516人)に二分した。検討対象としたバイオマーカーは全19種類だった。

解析の結果、年齢、性別、肥満、喫煙、アルコール使用などの要因を考慮した後でも、菜食主義者は肉食者に比べて、19種類中14種類のバイオマーカーレベルが有意に低いことが明らかになった。14種類のバイオマーカーとは、総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、心血管疾患に関わるアポリポ蛋白AおよびB、肝機能に関わるGGT(γ-グルタミルトランスフェラーゼ)およびALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、がん細胞の増殖を促進するIGF-1(インスリン様成長因子1)、ビタミンD、尿酸塩、総タンパク質、腎機能悪化の指標となるクレアチニン、C反応性蛋白(CRP)、およびカルシウムである。

Celis-Morales氏は、「菜食主義者は、心血管疾患や一部のがんに関連付けられている赤身や加工肉を摂取しないだけでなく、栄養素や繊維質、その他の有益な化合物をより豊富に含む野菜や果物、ナッツ類の消費量が多い。菜食主義者で細胞傷害や慢性疾患につながる可能性のあるバイオマーカーのレベルが低い理由は、摂取する栄養素の違いから説明できるのかもしれない」と話している。

ただし、この研究では、菜食主義者にとって残念な結果も明らかになった。菜食主義者では、HDLコレステロールやビタミンD、カルシウムなどの有益なバイオマーカーのレベルが低く、トリグリセライド(中性脂肪)とシスタチンCのレベルが大幅に高い傾向が認められたのだ。シスタチンCレベルの上昇は腎機能の悪化を示唆する。さらに、肉食者であるか否かにかかわらず、食事と血糖値、収縮期血圧(上の血圧)、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、肝細胞損傷のマーカー)、CRPとの間に有意な関連性は認められなかった。

米ノースウェルヘルス傘下のSyosset病院のChristine Santori氏は、「それでも、野菜をベースにした食生活の方が、より健康的だとする見解の方が主流だ」と強調する。その上で同氏は、「果物、野菜、全粒穀物、豆類、ナッツ類、種子類を食事の基本にすると、飽和脂肪酸をほぼ含まない、有益な繊維質が摂取できる。動物性食品を摂取する場合でも、魚や、皮を取り除いた鶏肉を選び、メインディッシュではなく、サイドディッシュとして摂取すべきだ」と助言している。

なお、学会発表された研究は、一般に査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2021年5月10日)

https://consumer.healthday.com/sb-5-10-vegetarian-...

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