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骨髄系腫瘍を正確に検出できる全ゲノムシーケンス解析法を開発

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急性骨髄性白血病(AML)または骨髄異形成症候群(MDS)を有する患者の正確なゲノムプロファイルを迅速に取得できる効率的な全ゲノムシーケンス解析法(WGS)を開発したと、米ワシントン大学のEric J. Duncavage氏らが発表した。詳細は、「New England Journal of Medicine」3月11日号に掲載された。

著者らは、骨髄系腫瘍に関連する重要な遺伝子変異の包括的なゲノムプロファイルを取得できる一方で、試料調製などの手技の簡便化および解析法の改良によって所要時間の短縮を実現した効率的なWGSを開発した。この方法を用いて、骨髄系腫瘍患者263例(AML患者175例、MDS患者81例、その他の骨髄系腫瘍患者7例)のゲノムプロファイルを取得した。確立されたEuropean Leukemia Network(ELN)のガイドラインに基づいて、検出された遺伝子変異のリスク層別化を行った。WGSの性能を、従来の細胞遺伝学的解析およびターゲットシーケンス解析の結果(結果が得られたのは263例中235例)と比較することによって検証した。

その結果、従来の細胞遺伝学的解析で検出された40種類の頻繁に見られる転座および91個のコピー数変異が、WGSでも検出された。さらに、WGSでは、従来の細胞遺伝学的解析で検出されなかった臨床的に重要なゲノムイベントが235例中40例(17.0%)で同定された。117例の前向きコホート(AML患者68例、MDS患者42例、その他の骨髄系腫瘍患者7例)を対象とした前向きWGS(所用期間の中央値5.1日;ライブラリ調製2日、シーケンス解析2日、解析1日未満)では、従来の細胞遺伝学的解析で得られなかった新たな遺伝子情報が29例(24.8%)で検出され、これによってリスク分類が変更された患者は19例(16.2%)であった。

細胞遺伝学的解析で確定的な結果が得られなかった27例のAML患者〔生存期間中央値11.2カ月、95%信頼区間(CI)5.6~38.8〕を対象に、WGSを用いたリスク層別化を試みた結果、全生存期間が明らかに異なる低・中リスク群21例(同20.5カ月、5.6~38.8)と高リスク群6例(同3.3カ月、1.7~18.9)に層別化できることが判明した(ログランク検定の調整P=0.03)。また、これらのリスク群を対象に年齢で調整したCox回帰分析を行った結果、リスク群と臨床転帰との間に相関関係があることが明らかになった(高リスク群の死亡を基準とした場合の中・低リスク群の死亡の調整ハザード比0.29、95%CI 0.09~0.94)。

著者らは、「本研究では骨髄系腫瘍に注目したが、今回明らかになったWGSの利点の多くは、他のがん種にも直接適用できるのではないか」と述べている。

なお、イルミナ社は、前向きWGS用の数種類の試薬を提供した。(HealthDay News 2021年3月10日)

https://consumer.healthday.com/whole-genome-sequen...

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