頭部以外の疼痛症状が併発する片頭痛患者では身体・心理社会的機能が低下

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慢性片頭痛(CM)に加えて頭部以外の疼痛症状が併発する患者では、局所的CM患者に比べて、疼痛に関連する身体・心理社会的機能が低下し、医療利用率が増加することが、「Headache」6月号に掲載された研究で明らかになった。

CM患者は頭部以外の疼痛を訴えることが多く、関連研究では片頭痛と顎関節症(TMD)、腰痛、線維筋痛症(FM)、過敏性腸症候群(IBS)、子宮内膜症などの慢性重複疼痛状態(COPC)との関連が指摘されている。米スタンフォード大学医学部のMeredith J. Barad氏らは、CM患者と、CMに加えて頭部以外の疼痛症状が併発する患者との間の身体・心理社会的機能の差を明らかにするため、Collaborative Health Outcomes Information Registryからデータを抽出し、横断的評価を行った。ボディマップ(疼痛の場所を示すために設計された人体の視覚的表現)上でCM患者が選択した頭部以外の疼痛部位の数によって、疼痛、身体・心理社会的機能、有害なライフイベント、医療利用率に差があるかどうかを調べた。身体・心理社会的機能については、Patient-Reported Outcomes Measurement Information System(PROMIS)を用いて評価し、Tスコアを算出した。効果量はCohenのfで表した。

対象としたCM患者1,601例のうち、1,131例が頭部以外の1カ所以上の領域で疼痛があると報告した。ボディマップ上の領域をより多く選択した患者では、疼痛症状とPROMISの全ての項目が有意に不良であった。ボディマップ上の疼痛領域が1つ増えるごとに、Tスコアは「疼痛による生活への支障」で0.69ポイント増加〔95%信頼区間(CI)0.55~0.82、p<0.001、f=0.328〕、「倦怠感」で1.15ポイント増加し(同0.97~1.32、p<0.001、f=0.432)、「身体機能」で1.21ポイント低下していた(同-1.39~-1.03、p<0.001、f=0.560)。また、より広範囲の疼痛を有する患者は医師の診察を約5%多く受けており(95%CI 0.03~0.07、p<0.001)、17歳以前に有害なライフイベント(幼少期のネグレクトなど)を経験した患者は、ボディマップ上の領域を22%多く選択していた(同0.11~0.32、p<0.001)。

著者らは、「今回の研究は、大規模なデータセットで実証されてきたことを臨床の場で確認したものであり、CM患者の中にはCMに加えて広範囲の疼痛症状を併発する明確なサブ集団が存在することを示している。頭痛だけでなく、慢性疼痛によって影響を受ける心理社会的機能の回復にも焦点を当てながらこの集団の特定と特性評価を行うことは、リスクおよび治療法の層別化の改善に役立つ可能性がある」と述べている。

なお、1人の著者は製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしており、別の著者は慢性疼痛を抱える人々を支援するTribeRx社との関係を明らかにしている。(HealthDay News 2021年8月10日)

https://consumer.healthday.com/worse-physical-psyc...

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