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夜間頻尿や喫煙が男性の性欲低下と関連――金沢大

夜間頻尿や喫煙が男性の性欲低下と関連――金沢大
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夜間の排尿回数が多いことやタバコを吸うことなどが、中高年男性の性欲低下のリスク因子である可能性が報告された。金沢大学大学院医薬保健学総合研究科泌尿器集学的治療学の重原一慶氏らの研究結果であり、詳細は「Sexual Medicine」に9月10日掲載された。

性欲は食欲や睡眠の欲求などと同じようなヒトの本能であるだけでなく、性欲の低下と心血管疾患リスクとの関連を示唆する報告もあり、健康管理の観点からも性欲の評価が必要とされる。ただ、食事や睡眠習慣に関しては多くの研究が行われているのに対して、性欲についてはあまり研究されていない。こうした現状を背景として重原氏らは、中高年男性の性欲低下に関連する因子を把握するために、以下の研究を行った。

研究の対象は、2009~2015年に金沢大学附属病院の男性性腺機能専門外来を受診した患者348人。初診時に、男性更年期症状(AMS)、国際前立腺症状スコア(IPSS)、性的健康尺度(SHIM)の自記式質問票に回答してもらい、一般的な血液検査の結果や生活習慣などとの関連を検討した。性欲や勃起機能に影響を及ぼすことのある薬剤が処方されている患者や、脳神経疾患、がん、精神疾患などを有する患者を除外し、292人のデータを解析に用いた。

解析対象者の平均年齢は66.2±8.8歳で、現喫煙者が21.9%を占め、男性ホルモンである遊離テストステロンは7.1±2.2pg/mLであり、夜間の排尿回数は1.6±1.2回だった。AMSスコアは85点中36.8±10.0点で、AMSの17番目の項目(AMS-17)の「性欲の低下」については、1点(なし)が15.1%、2点(軽度)が14.7%、3点(中等度)が32.2%、4点(重度)が24.0%、5点(極めて重度)が14.0%だった。

AMS-17が4点以上の場合を性欲低下が「重度」と定義。それに該当する「重度性欲低下群」(38.0%)と、AMS-17が3点以下の「非重度性欲低下群」(62.0%)とを比較すると、前者は高齢で、現喫煙者が多く、AMSスコア、IPSSスコアが有意に高く、夜間排尿回数が有意に多かった。また、SHIMスコアとHDL(善玉)-コレステロールは、重度性欲低下群の方が有意に低かった。なお、IPSSスコアは高いほど前立腺症状が重く、SHIMスコアは低いほど性的健康度が低いことを意味する。遊離テストステロンや総コレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)、HbA1c、BMI、運動・飲酒習慣については、群間に有意差がなかった。

群間に有意差が認められた因子を説明変数とする多変量解析の結果、重度性欲低下に独立して関連する因子として、現喫煙〔オッズ比(OR)7.168(95%信頼区間1.585~32.30)〕、夜間排尿回数〔OR2.288(同1.076~4.868)〕、SHIMスコア〔OR0.855(同0.750~0.976)〕が抽出された。年齢やAMSスコア、IPSSスコアは独立した関連因子ではなかった。

また、夜間の排尿回数はAMS-17スコアと有意に正相関し(傾向性P=0.0235)、夜間頻尿が重度であるほど性欲低下も重度であることが分かった。

これらの結果を基に著者らは、「現在の喫煙、夜間頻尿、およびSHIMスコアの低さが、中高年男性の性欲低下の独立したリスク因子と考えられ、より詳細な検討による検証が望まれる」と総括している。なお、男性の性欲はテストステロンレベルと関連することが知られているが、本研究では遊離テストステロンは独立した関連因子として抽出されなかった。この点については、「加齢によりテストステロン分泌が低下した状態では、テストステロンレベルよりも夜間頻尿の方が性欲低下に対して、より強い影響を及ぼすのではないか」と述べている。(HealthDay News 2021年10月18日)

Abstract/Full Text

https://www.smoa.jsexmed.org/article/S2050-1161(21)00106-9/fulltext

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