By HealthDayJapan HealthDay Reporter

Published on August 17, 2022

浴槽入浴が糖尿病患者の治療を後押し?

湯に漬かる入浴(浴槽入浴)の頻度が高い糖尿病患者は、血糖コントロールの指標であるHbA1cが良好であるというデータが報告された。国立国際医療研究センター国府台病院糖尿病・内分泌代謝内科の勝山修行氏らの研究によるもので、詳細は「Cardiology Research」6月発行号に掲載された。HbA1c以外に体格指数(BMI)や拡張期血圧も、浴槽入浴の頻度が高い患者の方が良好だという。

サウナや浴槽入浴の頻度が、心血管イベント発生率と逆相関することが既に報告されている。ただし、これまでに国内で行われた研究は解析対象者数が少なく、また、心血管イベントの既知のリスク因子を網羅的に解析した研究は見られない。勝山氏らは、同院の外来糖尿病患者約1,300人を対象とする横断研究を実施し、この点を検討した。

2018年10月~2019年3月に同院を受診し、入浴の習慣に関するアンケートに回答した糖尿病患者のうち、2型以外の糖尿病、および必要なデータが欠落している患者を除外して、1,297人を解析対象とした。解析対象者の主な特徴は、平均年齢66.9±13.6歳、男性55%、BMI25.9±5.3、HbA1c7.17±1.14%で、冠動脈疾患の既往者が6.6%、脳卒中の既往者が5.5%含まれていた。また、99.9%は自宅に浴槽付きの風呂を有していた。なお、季節による入浴頻度への影響を抑えるため、アンケート実施期間を冬季に限定した。

浴槽入浴の頻度は週に平均4.2±2.7回で、1回当たりの入浴時間は16±14分だった。浴槽入浴の頻度は年齢と有意に正相関(高齢であるほど頻度が高い)していた(R=0.098、P<0.001)。反対に、HbA1c(R=-0.078、P=0.005)、BMI、(R=-0.104、P<0.001)、拡張期血圧(R=-0.118、P<0.001)とは有意な負の相関が認められた。収縮期血圧や血清脂質(コレステロール、中性脂肪)、および腎機能(eGFR)や肝機能(AST、ALT、γ-GT)の指標は、浴槽入浴との有意な相関がなかった。

浴槽入浴の頻度に基づき全体を3群(週に4回以上、1~3回、1回未満)に分類して比較検討した結果も同様に、浴槽入浴の頻度の高い群は、高齢で(P<0.001)、HbA1c(P=0.012)やBMI(P=0.025)、拡張期血圧(P=0.001)が低いという関係が認められた。一方、性別(女性の割合)や収縮期血圧、血清脂質、および腎機能の指標は、この3群間で有意差がなかった。また、心血管代謝関連の処方薬のうち、GLP-1受容体作動薬のみ、浴槽入浴の頻度が低い群で処方率が有意に高く(P=0.038)、その他の薬剤の処方率は有意差がなかった。

次に、入浴頻度との有意な関連が認められた、HbA1c、BMI、拡張期血圧について、それらを従属変数とする重回帰分析を行った。その結果、HbA1c(β=-0.078、P=0.020)、BMI(β=-0.074、P=0.012)、拡張期血圧(β=-0.110、P=0.006)、いずれに対しても、入浴頻度が独立した有意な関連因子として抽出された。

著者らは本研究の限界点として、横断研究であり因果関係は不明であること、入浴頻度の高い患者は身体活動量が多い可能性があることなどを挙げている。その上で、「われわれの研究結果は習慣的な浴槽入浴が、肥満、拡張期血圧および血糖コントロールを、わずかながら改善する可能性のあることを示唆している。浴槽に漬かるという温熱療法は、2型糖尿病患者の心血管疾患抑制のための補助的なオプションとなる可能性があるのではないか」と結論付けている。なお、既報文献を基にした考察から、浴槽入浴による効果発現のメカニズムとして、「体温上昇と血管拡張による血流や血管内皮機能の改善、一酸化窒素(NO)産生の増加、インスリン感受性の亢進などが考えられる」と述べている。(HealthDay News 2022年8月10日)

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